file.35 羊羹のまち・小城の「小城羊羹」



いちにちいちあんこ

以前、書いたことがありますが、水羊羹のまち、といえば福井。福井県の皆さんは、水ようかんを冬におこたで召し上がるそうですね。有名です。

実は、福井以上に佐賀県はもっとすごいのです。羊羹消費量日本一。そしてその震源地(?)は、そう、小城市の「小城羊羹」です。
なんと市内に20軒もの「羊羹屋」が点在している「羊羹のまち」。和菓子屋さんに羊羹があるんじゃないですよ、羊羹屋さんってのがすごいじゃないですか。
#ちなみに、観光協会の羊羹マップがすごい!町中にこんなに羊羹やあるなんて信じられません。
マップ→http://www.wakuwaku-ogi.com/youkan/roadmap.html

以前、FBに「羊羹のまち、小城に行ってみたい!」とあつく書いてみたら、なんと友人が小城羊羹をおすそ分けしてくれました。なんとまあ。ほんと口にだしていってみるもんです!Sちゃんありがと~!!

いただいた小城羊羹は二種類。

Sちゃんの手紙に、「ラップしてあるほうが一番の老舗のもの」と書かれてあります(おすそ分けなので半分に切ってラップして入れてくれてるんですね)
練り羊羹切り分けてみると、こんな感じです。ネットで「小城で一番古い店」と検索すると、村岡総本舗さんがあがってきます。こちらの羊羹かな。

かなりはっきりした甘さ。丁寧に作られたことがよくわかるなめらかな口当たり。4辺のうち一辺には、砂糖の膜ができていてシャリシャリしています。ほうほう、なるほどこれが有名な小城羊羹なのか…

そしてもう一つの小城羊羹。
天山の小城羊羹こちらが、天山本舗さんのパッケージ。開けてみると…
裁ち羊羹おおおお、周りが固い砂糖の膜に覆われてる!!!
カチカチしてます!

天山本舗さんの商品説明書をみると、この羊羹は「断ち羊羹」というものなんだそうで、「一本一本断った羊羹を乾燥させ表面を固くしており…(中略)…砂糖が糖化し結晶化したもので食べるとこの糖化によるシャリ感と内側の柔らかさを同時ににお楽しみいただけます」とあります。なるほどねえ。手間がかかってるんですねえ。
この断ち羊羹の手法も、小城羊羹の伝統的なものとのこと。ほお。

小城羊羹二種類並べてみました。
左が練り羊羹、右が天山本舗の断ち羊羹。断ち羊羹に糖化した砂糖の膜があるのわかります?
小城羊羹これだとわかりやすいでしょうか。右側の糖衣。
さて、天山本舗さんの断ち羊羹ですが、なんと意外なことに、思ったより甘くないのです!確かにシャリシャリ砂糖の膜がありますが、全体的にはかなりすっきりした甘さで美味しい!小豆の風味がよくわかります。ものすごく甘いんじゃないかと思ってたので、すごく意外でした。

それにしても、小城といえば、小城鍋島。歴史小説好きな私にとっては隆慶一郎さんの『死ぬことと見つけたり』に登場する鍋島藩の支藩で、まさに『葉隠れ』、「武士のまち」というイメージでしたが、これほどまでに美味しいあんこのまちだったとは…。

ぜひいってみたいですね!!

天山本舗
http://www.tenzanhonpo.co.jp/

*羊羹のまち・小城について参考させていただきましたのはこちらのサイトです↓
http://www.wakuwaku-ogi.com/youkan/index.html

file.34 力餅家の「権五郎力餅」と「福面まん頭」


 

いちにちいちあんこ

鎌倉、ときくと何となく美味しい和菓子がたくさんありそうな気がしますよね。江の島を訪れた私たちに、友人O夫婦が連れて行ってくれたのが、長谷駅の近くにある老舗「力餅家」。

こちらはネットでの口コミ情報によると創業が元禄年間らしいですね。お店から頂いた由緒を読むと、このお店の近くにある御霊神社(別名権五郎神社)に縁のお餅やさんのようです。
力餅家いい店構えですね~!こういう雰囲気大好きです。

さて、ここの名物「権五郎力餅」の、「権五郎」ですが。
由緒書のよると、平安時代後半、後三年の役のころといいますから1083~7年ぐらいですね、源義家(頼朝のひいひいおじいちゃん)に従って奥州に赴いた若い武士、鎌倉五郎為政という人物がいました。16歳という若い年齢でしたが、目に弓矢を受けながらも勇猛に戦い、武名を上げました。

鎌倉に戻ってきてからもその武名は高く、それを示す話として、手玉石のお話があります。

鎌倉時代の武士は、よく力比べをしていたんでしょうか。よく、鎌倉武士のいわれのある神社なんかで、「力石」というのを見ることがあります。力石というのはその名の通り、力比べの石、といった感じ。または「手玉石」ともいうみたいですが、源五郎さんも、やっぱり力自慢だったみたいですね。源五郎さんが軽々と持ち上げて袂にに入れた、という伝説のある手玉石(28貫)と袂石(16貫)が神社の境内に残されているそうです。

あれ?と思って計算したら、28貫って、105キロですよ!16貫は60キロ!
すごいなあ。

由緒によると、「源五郎さんの家来がこの手玉石に供え餅を献じ、「力餅」と名付けて、神社の参列者に分け与えたのが最初で、その後もこの武名を偲ぶよすがとして、力餅を代々名物として販売してきた(意訳・要約)」ということなんだそうですよ。
力餅そんなこんなで前置き長くなりましたが、こちらが力餅です!
力餅ちょっと寄っちゃいました^^;。伊勢の赤福に似てますね。つまりあんころ餅です。
力餅こちらのお餅は、昔ながらのお餅なので、固くなります。なので家に帰ってからちょっとレンジで温めていただきました。
あんこは、しっかりとした甘さのこしあん。お餅も、ちゃんとついたお餅って感じ。和菓子屋さんのお餅というよりは、お餅やさんのお餅です。美味しい!
お店の方のお話ですと、その日食べられるなら昔ながらのお餅を使ったものがお勧めだけど、お土産にするなら固くならない求肥版がお勧め、とのことでした。
あらかるとさて、一緒に行った友人Kちゃんが、求肥版の「力餅」と、「福面まん頭」をわけてくれました。
#私はお餅版の力餅しか買わなかったんですけど^^;;。ありがたや。。
あらかると福面万頭、かわいい!!天狗さんみたいな顔ですが、伎楽面からとってるんでしょうね。たぶん。
福面万頭福面万頭も美味しかった!中はこし餡。生地は人形焼の皮に似てますが、甘さ控えめでちょっと香ばしい感じ。
力餅(求肥版)写真ボケちゃってますが、こちらが力餅(求肥版)。求肥なので、求肥自体に甘さがあり、全体的にお餅版よりも甘さがアップしてるかな。つるんとしててあっといまに一個いただけちゃいます。

福面まん頭も美味しかったので、おそらくこの名物力餅以外も美味しいんだろうなあ。ぜひ次回行ったらほかの者にもチャレンジしたいと思います。

力餅家
http://tabelog.com/kanagawa/A1404/A140402/14007758/

 

file.33 井上総本舗の「貝もなか」と「クリームあんみつ」


 

いちにちいちあんこ

江の島には超強力な女性の神さん方がいらっしゃいます。

一は皆さんもよくご存知ですね。そうです。弁財天さんです。「江の島の弁天様」は日本三大弁天さんのうちの一つとしても高名です。

ところで、この弁天さん以外にも、江の島には女神さまたちがいらっしゃいます。意外にも、というのは適切な表現じゃないですね。「別の姿」とでも言ったほうがいいでしょうか。

日本では、仏教が入ってきてから、古来よりその土地にいた神さまが、仏教の中の仏さん〔神様〕の化身だと解釈する独自の考え方が発達しました(神仏習合と言います)。

江の島でもそんな解釈が起こりました。もともと祀っていた江島大神(宗像女神。三柱で一体の女神さんたちです)を、仏教の中の弁財天さんの化身と考え、両方をお祀りしたんですね。

おっとのっけから話がブツタビみたいになってしまいましたが、いまご紹介したいのはあくまでもあんこです。

さて、江島神社の参道には、たくさんのお土産屋さんがあります。ちらほら見かけるのは「女夫(おとめ)饅頭」というふかしまんじゅう。酒まんじゅうと茶まんじゅうです。やっぱ女神さまの島ですからね。美味しいあんこものがあるに違いないですよね!(決めつけてますけど)

それも美味しそうなんですが、私のお目当てはKさんに教えていただいた井上総本舗のイートイン。ちょうど疲れていたので、、まずはクリームあんみつ(確か700円)をいただいて一休み。
クリームあんみつ「寒天が黒蜜が入っていて甘いので、かけるほうの黒蜜は加減してかけてくださいね」

と若い店員さん。なるほど、確かに寒天が真っ黒。食べてみますとかなりしっかり黒砂糖の味がしておいしい。

でも私は、甘いのが好きなので!
つけていた黒蜜はしっかり全部かけていただきました。疲れた体にしみます~~!うま~~!

「その寒天は天草からちゃんと作ってるし、あんこも全部毎日手作りしてるんだよ」

と店主さん。おっしゃる通り、丁寧に作っておられるのは食べると分かります。特に寒天はすごくしっかりしていて、角がたっているというか…

「だからうちのは、実はところてんもお勧めなんだよ」

と店主さんがにっこり。なるほど、確かにところてん美味しいと思います。ううむ。

すっかり疲れも癒えた私は、ちょっと悩みましたが女夫万頭ではなく、もう一つの名物「貝もなか」をお土産に購入しました。
貝もなかいいですねえ。こういう包装がまた。こちらの貝もなかは一個一個がかなり小さめ。私がかったのは7個入りで650円だったかな??
貝もなか赤茶字が小倉あん、緑字がこしあん、銀色が白あん。
貝もなか皮が、貝殻のかたちなんですよ~!可愛い!
形は全部で5種類あるそうですが私が購入した中ではこの三種類でした。
貝もなかあんこはこんなかんじ。こしあんと白あんはしっかり丁寧に美味しかった!
でも小倉あんがちょっと不思議な感じでした。

昔の羊羹って、周りにがりがりした砂糖の塊がついてるじゃないですか。あんなのが混ざってる感じでね。原材料見ますと、寒天が入ってますので、羊羹みたいな感じだから、そんな食感になったりするのかな。だけどやっぱりジャリジャリがちょっと気になるかなあ。でもこういうものなのかな?
とはいえ、味は良かったです。

次回くるときには、女夫饅頭もぜひいただきたいと思いました。

井上総本舗
http://www.cityfujisawa.ne.jp/~hi-ho/newpage1.htm

file.32 麩帆の「麩まんじゅう」


いちにちいちあんこ突然ですが「生麩」って、大人ですよね。

私が初めて生麩をいただいたのは、確か高校生の時。京都に修学旅行で行った時のことだったかと思います。お餅ではない、不思議なもちもち生地・生麩。小麦粉に食塩を加えてよく練るとできる「グルテン」を蒸したものですね。

私の出身地である埼玉のあたりでは、生麩どころか、そもそもお麩を食べる習慣があまりありません。ただ、乾燥麩は、インスタントのお吸い物なんかにも入ってますからその存在はよく知っていました。そのお麩に『生』があるなんて、と知ったのはその高校時代のこと。上品な甘味どころでいただいた麩まんじゅうは「品がよくて大人の味だなあ」と感動したことを覚えています。

さて、そんな麩まんじゅうですが、関東にも名品があるんですね!

昨日は、江ノ島に行ってきたのですが、「美味しい生シラスが食べたい!」という私たちの願いを、逗子出身の友人O夫婦がアテンドしてかなえてくれました。そして、さらに連れて行ってくださったのがこの「麩帆(ふはん)」さんです。

「小さな受付口みたいなところしかないから、ついつい見過ごしちゃうくらい。生麩と、麩まんじゅうしか売ってないの。すごく美味しいよ」

とOさん夫婦。えええ!それは行ってみたい行ってみたい行ってみたい!と叫ぶ私を車で連れて行ってくださいました。

帰宅してから調べてみると、知る人ぞ知る名店なんですね。さすがOさん夫婦!
麩まんじゅう写真は、3つの麩まんじゅうです。温度差で汗かいちゃってますね^^;。昨日は暑かったし。
麩まんじゅう大きな笹の葉でくるまれてます。ワクワク。
麩まんじゅう運ぶ時にちょっと潰しちゃいました。しわがよっちゃってますが、つるんとして美味しそうですよ!ヨモギの香りがぷうんと。
麩まんじゅうそして、あんこはこし餡!ものすごく上品なこし餡!
生麩の生地もするり、つるり、という食感で、中のこしあんもスルリ、さらりと消えてなくなるので、一瞬でこの美味しいものは、私の口から消えていきました。
幸せな一瞬でした。

幸せってそういうものかもしれないわね、なんて大人な発言をしてみたりして。

麩帆(ふはん)
http://tabelog.com/kanagawa/A1404/A140402/14000595/

file.31 虎屋の「あんみつ」


いちにちいちあんこ

あんこが好きだと言いまくっているので、今度スイスに移住してしまう友人Kさんから「一番お勧めはなに?」と聞かれました。スイスに行く前に食べてみたいとおっしゃるのです。

そ、それは。責任重大!
嬉しくも悩ましいお題ですよね~~。

あんこと言っても、あんこを使ったお菓子ということで考えますと、種類がたくさんありますし、豆の種類もいろいろあるし…

ううう~~ン、ううう~~~ン、と考えておりましたら、はたと思いついたのが今回ご紹介する「虎屋のあんみつ」です。
さっそく、Kさんご夫婦と食べおさめに行ってきました!

虎屋はあまりにも有名でお店もたくさんありますし、皆さん今更?とおっしゃるかもしれませんが、いやあ、やっぱり500年以上の歴史は伊達じゃありません。

虎屋さんは、創業は室町末期。もともと京都で御所にお菓子をおさめている和菓子司さんでしたが、明治時代に天皇家が東京に遷座された時、東京にも進出してきたんですよね。

虎屋さんの和菓子は、その歴史そのままという気がします。京都和菓子の正当さを守りながらも、東京らしい武家文化的な潔さを感じさせる「きりっとした味」。

赤坂に本店があり、私はこちらであんみつをいただくのを「ご褒美」と呼んでます。
あんみつは約1200円。ちょっとお高めですね。普段、私が食べるあんみつは700円くらいまでのもの。そんな私にとっては、ちょっと贅沢な逸品なのです。

今回は、六本木ミッドタウンの菓寮へいってきました。
六本木ミッドタウン店の良さは21時までやってるというところですね。そして平日だとかなりすいていて、ゆったりと過ごすことができます。

このあんみつは1200円払って食べる価値のある素晴らしいあんみつなのです。それがこちら!!あんみつひゃ~うつくし~~!
虎屋さんのあんみつを見ると、あんみつも「和菓子」だということを再認識しちゃいますね。

あんこが美味しいのはもちろんですが、寒天以外にも、同じようにカットされた水ようかんやキビ、やゼリー、金時豆にえんどう豆…と、その一つ一つに「仕事」を感じさせてくれます。

あんみつもういうまでもありませんが、このこしあんの美味しいこと!

黒蜜も本当に美味しいし、金時豆とえんどう豆がまた美味しい!オプションで花豆3粒を100円で入れてくれるサービスもありますよ。オプションといえば、白玉とアイスクリームも100円プラスで入れてくれます。

いっしょにいったKさんご夫婦も、とても喜んでくださいました。「パリの虎屋に食べに行く!」と意気込むKさん。そうそう、虎屋さんはパリ展開されてますもんね。

チェーン店展開されてますけど、虎屋さんは味を落とさないんじゃないかな~。なんて思います。ぜひ皆さんも、お近くの菓寮にいってみてください!カキ氷やほかのものもはずれなしですよ!!

ちなみに、赤坂本店では、「虎屋文庫」という菓子資料館も併設しており、年に何度かですが展覧会を催してます。私のお勧めは、こちらで日本のお菓子の歴史に触れて、菓寮で一服、です。ちなみに、今年は11月一日から「和菓子の贈りもの」展を開催されるそうですよ!!
私も久しぶりに行ってみる予定です。

虎屋
http://www.toraya-group.co.jp/main.html

虎屋六本木ミッドタウン店
http://tabelog.com/tokyo/A1307/A130701/13037370/

file.30 富久屋春秋庵の「あんみつ」


いちにちいちあんこ

今日は、埼玉に戻ってきて一番一緒に時間を過ごしてきたKさんが、仕事の関係でスイスに引越しされることが決まったので壮行会もどきを開催しました。

ランチはお寿司。そしてデザートには、もちろん和菓子を!

最近では、海外でも和食は大人気で、和菓子も手に入ったりもしますが、なんといっても本場にはかないません。お寿司も和菓子も日本で食べると本当に美味しい。そんなわけで、「和」尽くしの会食になりました。

訪れたのは、東松山市市役所近くにある富久屋さんです。こちらは、みたらし団子の中にこしあんが入っている「牡丹だんご」で有名ですが、喫茶スペースもあっておいしい甘味をいただくことができます。

今日私が頂いたのは、あんみつです!
あんみつ

カンペキに、直球に正しいあんみつでしょう??!
ちょっと他と違うのは、寒天ではなくくずもちのあんみつだということかな。ちょっと食感がねっとりとしていて、美味しいです。

あんみつ

丁寧に手作りしたな、というしっかりとしたあんこ。美味しいです。
さらに嬉しいのは、たっぷり、ぎっしりのせてくれてます。アイスディッシャーで掬ってくれてるんですけど、もう目いっぱい詰め込んで、パカッとしてくれたな、という感じ。

一見きれいに盛ってくださってるので、こじんまりとして見えたのですが、くずもちとあんこのおかげですごいボリューム感でした。お値段も500円くらいとお手軽価格。これはCPいいですわあ。

富久屋春秋庵
http://tabelog.com/saitama/A1105/A110502/11003202/

 

file.29 すずめやの「どらやき」


いちにちいちあんこ

私は夏生まれなのですが、夏の暑さにはめっぽう弱いので、この数日は相当ポンコツになってます。できるだけ外に出ないよう心掛けてだらだら過ごしておりますが…。

とはいえ、この土曜日。どうしても資料を探しに行かなくてはならない、そんなタイミングがやってきました。

いろいろ考えて、ジュンク堂池袋に行こう、と決めましたよ。
ジュンクさん自体とても好きな書店さんですけど、もう一つ、あんこ好きにとっては強力な動機づけになるあのお店がそばにあるからです。

そうです。すずめやさんです!

すずめや

ジュンク堂左側の道をずんずん進んでさらに左の横道に入るとひっそりとこの名店が佇んでいます。

お店としては新しいですよね。10年くらい前に開店されたんじゃないかな。だけど、あんこ好きだったら、まあ間違いなくチェックしてるお店です。

久しぶりにこちらのどらやきを食べられる、と思ったら俄然やる気になりました。

こちらでは、どらやきのほかに、最中と茶玉、季節の練り菓子など、4種類販売されてます。品目が少ないというのが何となくまたさすが、というかなんかいいなあと思っちゃったりしますね。すみませーんと呼びかけると、若いご主人がわざわざ奥から出てきて応対してくださいます。

茶玉は売り切れだったので、とりあえずどらやきと最中を3個ずつ…とオーダーしてお財布を観たら……
お財布の中に200円しかない…><。銀行でおろそうにもそばにATMがない…。
#私のカードは静脈認証なので、コンビニだと下ろせないのです。

さらに、そのあと打ち合わせがあるので、時間もない。仕方なくどらやきを一個だけ買いました。なんかもう、自分にガッカリです。

どらやき

これがその一個(150円)です!ふお~、美味しそう!

どらやき

おおお、いいかんじ。ふっくらとしてて、なんとなく全体的にコロンとした印象。たまらないです。

どらやき

皮はしっとりふっくら。あんこも小豆が上等なのがよくわかります。そして甘さ控えめで美味しい!
一口で言うと、全体的に上品な印象です。どらやきらしいボリュームはしっかりとありますけどね。

また、これをお土産とかでもらったら、本当にうれしいですよね。

そうそう。
以前、仕事で人を紹介してほしい、と知人に頼まれたことがあったんですけど、それはかなり面倒なお願い事でした。でも、忙しいはずの知人がわざわざ会社までやってきて、こちらのどらやきを20個くらい持参してくれ、「悪いけど頼む!」と言われた時、私は思い切りどらやきにつられてOKしてしまいました。

「こいつ、やるなあ」。その時、その知人の評価が3段ぐらい上がっちゃいましたね。

私があんこ好きだと知っていて、忙しいのに、「本当に美味しいどらやき」をわざわざ池袋まで買いに行ってくれた(世田谷在住で会社は品川だから何かのついでというのはあり得ません)。これはなかなか、できるようでできないことです。見事にやられました。

それくらい、本当に美味しいどらやきなのです!

すずめや
http://www.d-suzumeya.com/index.html

 

file.28 板倉屋の「人形焼」


いちにちいちあんこ日曜日は三越前の三井記念美術館で開催中の「大妖怪展」に行ってきました。「三越前」という駅名だと分かりにくいかもですが、このエリアはすべての街道の起点となっている「日本橋」すぐそば。つまり江戸時代では超一等地ですよね。
三越本店、三井本店をはじめ、たくさんの老舗が今も軒を連ねています。大きなビルになってしまっているので「老舗街」と言われてもちょっとピンと来ないかもしれませんけど^^;。

大妖怪展を観終わった後、そんな雰囲気を味わいたくて人形町まで散歩してみました。今回一緒に行ったのは「面白いもの好き」な旅をよく一緒にしているメンバーなので、こういう街歩きもたちまち「発見」の嵐になります。

路地に入って小さなお稲荷さんにお参りしたり、注染で有名な手拭屋さん戸田商店を発見したり。戦前の長屋をベースに異様に成長?してしまった古い長屋を見つけてみたり…。

一時間半かけて人形町の甘酒横丁につくと、もう夜になっていました。日曜日なので早じまいか定休日でお店はほとんどやっていません。そんななかで、ひときわ目立つお店を発見。

人形焼本舗「板倉屋」さんです。
これはちょうどいい!と人形焼、ゲット!

ところで、人形焼、というと浅草の印象が強いですが、本来この人形町が発祥の地だって知ってました?しかも、帰ってから調べてみて分かったんですけど、この板倉屋さんの初代が考案して発売したのが最初だったんですよ!知らなかった~~。

板倉屋さんの看板こちらが昔の看板とのこと。「写真を撮ってもいいですか?」とお訊ねすると、
「どうぞどうぞ、中のほうも見てみてください」
とご主人。焼き場も見せていただいちゃいました。
焼き場もう遅い時間でしたので、焼いていらっしゃいませんでしたけど、いつもここで焼いてるんだそうですよ。左の壁一面に焼き型があります。すごいですね。
焼型さらにさらに。お忙しい手を止めて、焼き型も見せてくださいましたよ!(ご主人はじめ皆さんが本当に親切!)

HPによりますとこちらで販売している人形焼は、6つのお顔があるんだそうです。
『布袋尊、弁財天、恵比寿、毘沙門、大黒天、寿老人、弁財天を表しています。6人しかいない七福神にお客様の笑顔を足して、七福神にしてあげてください。』(HPより抜粋)
おおお、なんかしゃれてますねえ。

そして、いろいろ悩みましたが、時間もなかったので五個入りを買いました。
人形焼シンプルですが、なんかしゃれてるでしょ?いいかんじ。
人形焼わあ、かわいい!誰が誰だかはちょっとはっきりわからないですけど、前列の左は毘沙門さんで、真ん中は布袋さん?ううう、見分けがいまいち…
人形焼こしあんがたくさん入ってます!
うわあ、美味しい!

ねっとりと濃厚。でも甘味は適度。丁寧に作ってらっしゃるのがよくわかります。

皮がはちみつと卵の風味がはっきりとしているので、こしあんもしっかりと風味がないとバランス崩れちゃうだろうなあ。絶妙なバランスです。

5個で500円って、大きさの割にちょっとお高い?なんて思っちゃいましたが、さにあらず。しっかりとしてるので、一個でも十分満足感があります。丁寧に作られているからでしょう、既製品の人形焼とは別物。ちょっとしたお持たせでさらっとこういうものを用意できると、なんだかおとなな気がするなあ。いいなあ。

板倉屋
http://www.itakuraya.com/

file.27 糸屋製菓店の「翁羊羹」


 

いちにちいちあんこ

私の中で、豊島屋さんの「鳩サブレ」と同じぐらい思い出深いのがこの、糸屋さんの「翁羊羹」です。
豊島屋さんの鳩サブレは、神奈川の親せきがよく買ってきてくれましたし、糸屋さんの翁羊羹は父が、仕事で深谷市に行った帰りに買ってきてくれた、お馴染みのお菓子です。

鳩サブレは、社会人になって一人暮らしを始めても自分で買ってよく食べてましたし、関西の取引先へのお土産に買ったりして、その後も馴染み深いのですが、糸屋の翁羊羹は、深谷に行かないと買えない羊羹なので、ずっと「食べたいけど手に入らない」お菓子でした。

なので、月曜日に『石部』で深谷市に行くことになった時、真っ先に思い浮かべたのが「翁羊羹」!これはぜひとも手に入れなければ!!

そして念願の、「杉箱入り 翁羊羹」です!!20年ぶりの邂逅。
翁羊羹

杉の箱に入ってるもので、2100円。もう少し小さな紙箱入りもありますが、テンション上がってるので、大きいのを購入!
翁羊羹

そうそう、これですよ~!この絵、覚えてます。懐かしい!
翁羊羹中はこんなかんじ。
翁羊羹これを切って食べます。

翁羊羹はい、できあがり!!

翁羊羹は、こしあんの羊羹です。寒天が強めで、下のほうには砂糖の塊がゴツゴツしてるような、昔ながらの羊羹。

……いや。

ちょっと迷いますが、やっぱり正直に言います。

記憶の「翁羊羹」とは、かなり違うものでした。私が思い込みすぎていたのかな、と思いますけど、家族全員が「……あれ?」と言って黙ってしまうくらい。

「夏だから、よく火を入れて、甘味も強めてるのかもね」と母。

そうかもしれません。

もちろん、ちゃんと美味しいんですよ。とても丁寧に作られている羊羹だと思います。

でも、昔食べたとき、「ああ、丁寧に作ったこしあんってこんなに美味しいんだ!」と衝撃を受けたんですが、今回はそこまでの衝撃は味わえませんでした。

でも、まあ、美味しかったから、いっか!

そして、私は「せっかくだから」ともう一つの名物「翁最中」も買ってきました。こちらは明日ご紹介しますね。

糸屋製菓店
http://tabelog.com/saitama/A1105/A110503/11004209/

 

file.26 慈げんの「雪くま」


いちにちいちあんこ
「あついぜ!熊谷」のカキ氷!
夏は暑いし大変ですけど、やっぱり夏ならではの楽しいこともたくさんありますよね!夏休み、海水浴、スイカ、カキ氷…。

そう!カキ氷! 暑い中で食べるカキ氷、最高ですよね~!

そんなわけで本日ご紹介するいちあんこは、カキ氷でございます。しかも「熊谷市」のカキ氷「雪くま」です!!

皆さんもよくご存知と思いますが、埼玉県熊谷市は「日本一暑い」ということで、この季節は特によくニュースに登場します。
実は、私、熊谷市内にある高校に通っていました。自宅のあった東松山市からは車で40分ほどかかります。かなり遠いです。なので、気候も文化も結構違うんです。
熊谷に通うようになって驚いたのは、夏の暑さと冬の寒さです。内陸性の盆地気候なので、とにかく寒暖の差が激しい。京都みたいな感じですね。過酷です。

しかし、そんな気候も、受け取り方を変えたらこんなに楽しくなっちゃうんですね。

熊谷市では、日本一の気温を記録したことをうまく利用して、「日本一あついまち」としてプロモーションし、全国の皆さんにアピールしています。イベントをしたり、グッズを作ったり。今回ご紹介する「雪くま」もその流れででてきたもののようです。

「雪くま」は、「熊谷市内のおいしい水で作った氷を使い、氷の削り方に気を使ってふんわりとした食感で、オリジナルのシロップや食材を使っている」ことを条件としてるそうです。これらをクリアしたお店には「雪くま」のフラッグがあって、一目でわかります。

たくさんのお店があってよくわからないので、高校時代の友人N@熊谷在住にお勧めを教えてもらいました。

「慈げん」さんです。

熊谷駅から車で10分ほど。熊谷市民が愛してやまない百貨店〔八木橋〕の裏あたりにありました。

イシブカツ、オアシスに出会う
実は、この暑い時になぜあえて熊谷…というかんじですが^^;、『石部』のイシブカツ(注:石造物をみる会)で、熊谷と深谷を取材したのです。熊谷エリアは、今も鎌倉武士の遺跡を多く残している、重要エリアなのです。同行の石田石造(女)センパイが「どうせ行くならものすごく暑い熊谷に行きたい」と勇気のあることをおっしゃるので、あえてこの時期に出かけてきました。

7月頭より、風もありますしだいぶ過ごしやすかったとは思いますが、やっぱり暑いものは暑い。石もの(石造物)はたいがい外にありますから、二人とも暑さでよれよれになりました。

そこでたどりついた「慈げん」さん。

よれよれな私たちにとって、そこはまさにオアシスでした!

メニューは、魅力的なものがこれでもかと目白押し。どれにしようか悩みに悩んで決めたのがこちら!
煎茶+しろあん私は「煎茶+しろあん」!!そして、石造センパイは「和三盆+小豆あん」!!
和三盆+小豆あん甘い蜜を好みでかけながらいただきますよお!
おおお、本当に氷がふんわりしてます。さらっと溶けて軽い!なるほど、これが「雪くま」ですね!

私のオーダーした、煎茶+白あんは、濃く出した煎茶が爽やか。蜜をたっぷりかけても甘みほんのりです。
しろあん!氷の下に、丁寧に炊いた白いんげん豆がたっぷり入ってます。皮もやわらかくて、豆本来の良さをとてもよく感じます。美味しい!
あずきあん!石造センパイのほうの小豆あんもたっぷりです。
私もいただきましたが、この小豆あんも素晴らしい!こんなに美味しいあんこ、なかなかないわってくらい美味しいです。
和三盆の蜜もとっても上品。和三盆は本当に角がなくて、爽やかにおいしい砂糖ですけど、その良さを存分に味わえます。

いやあ、本当に美味しかったです。
暑い熊谷で美味しいかき氷を食べる。これ以上正しいことってないですよねえ。
絶対また行きます!

慈げん
http://www.city.kumagaya.lg.jp/kanko/meibutsu/yukikuma.html