file.76 藤田九衛門商店の「鯉焼き」


いちにちいちあんこ

仕事が急にぽかりとあいてしまい、時間ができたので長野市と上田市に遊びに行ってきました。
実は…。大きな声では言えませんけど、仏教美術関連の本にかかわってきたのにもかかわらず、善光寺に一度も行ったことがなかったのです。ひゃ~やばいやばい!!

そんなこんなで、まず訪れたのは善光寺。

まずは荷物を預かってもらおうと、ゲストハウス1166さんへ。
一人で旅をするときは、よくゲストハウスを利用します。この5・6年で日本でもゲストハウスがぐんと増えましたよね。地元の情報を教えてもらえたり、また普段はなかなかクロスしないような人と出会うこともできるので、すごく楽しい。

さてさて、今回のいちあんこも、ゲストハウスの方に教えていただきました。

善光寺から、少し路地に入ったところにある「藤田九衛門商店」という和菓子屋さん。美味しいたい焼きみたいなあんこのお菓子「鯉焼き」が食べられますよ!とのこと。早速尋ねてみたい気持ちではありますが、まずは善光寺さんにご挨拶しないと。

そんなわけで、善光寺さんへお参りしてこちらのお店に向かったのは、4時を超えてしまっていました。肝心のお菓子が売切れてしまったらどうしよう、と思いながら急ぎ足でむかいます。

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善光寺の参道周辺には、宿坊がたくさんありますが、正面参道を一本入った少し細い道を進んでいくと…
anko20140912-2ありました~!こちらが「藤田九衛門商店」さんです!

粋な藍色ののれんがかっこいいですね~。昔からあるお店なのかしら?落ち着きがあって雰囲気のある店構えです。
anko20140912-3こんにちは~と言いながらそろそろと引き戸を開けると、こんな感じのガラスのケース。

お菓子まだ残ってる!よかった!

店内は思ったより天井も高くて広い。美しい日本の器、漆器などがさりげなく使ってあって内装も素敵ですよ!

そんな中で現れたのは作務衣姿の男性。ご主人ですね??

早速、鯉焼きを二種類一個ずつ。本当はお土産にもっと買いたかったのですが日持ちしないとのことで、今日自分で食べられる分でぐっとこらえました。

こちらの鯉焼きのあんこは、なんと「花豆」なんです!

「花豆」は、生産量もそれほどない貴重な豆です。私の記憶では、私が生まれた埼玉中部では取れず、群馬県のほうに遊びに行った時に母がお土産で買ってくる美味しい豆。いわば「ご馳走豆」でした。

その「花豆」を贅沢にもあんこにしてしまうとは!
そんな感動をご主人にお伝えすると、

「花豆は標高700から1000メートルの場所でないと豆がとれないんです。長野でも当店のあるこのあたりでは、花は咲くのに実がならない。不思議でしょう」

へえええ!不思議~~!!

花豆は長野でも標高が700~1000メートルの場所でしか収穫できない貴重な豆。その土地でとれたものを使って美味しいものをつくるということがしたかったご主人は、この貴重な地の豆・花豆をあんこに、そしてこれまた長野県産の美味しい小麦を使ってお菓子を作ることにした、……とそんなお話をしてくださいました。
anko20140912-5「これが、鯉焼きの型の原型なんです」

そう言って見せてくださったのが、かわいらしい木製の鯉。おお!かわいい~!左が表、右が裏、かな?この二つの型を合わせて一体の鯉になる、ということですね。

「仏師の方に彫っていただいたんですよ。長野は海がない県でしょ。だけど、皆さん何の疑問も感じずに普通に『鯛焼き』を作る。え?長野は鯛はいないのになんで?と思った。佐久は鯉が有名です。だから『鯉焼き』を作ったらいいじゃないですか、と言うと、なるほどねとは言ってくれても、だれも作らない。だったらもう自分で作ろうと思ったんです」

ご主人は大坂のご出身で、銀座で日本料理の料理人をされていたんだそう。いろんな世界を見てきた方だからこそ、そんな「シンプルだけどずっと住んでいる人にとってはわかりにくい大切なこと」に気付く『目』を持っておられたんでしょう。

「それでね。型を作るときも時間がかかりました。鯛焼きみたいに動きがないデザインにしたくなかった。死んでる魚じゃなくて、生きてる鯉でお菓子を作りたかったんですよね」

なるほど!確かに生きてる生きてる。生きてるっていうか「跳ねてる」!

……そんなお話をしているうちになんだかもう、その場でこの鯉焼きをいただきたくなってしまいました。こちらではお抹茶も何種類かおいてらして、御主人が点ててくださるとのこと。一番高価なものは2500円のものもありましたが、私は手を出しやすい500円くらいの種類のものでお願いしました。

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ご主人がお茶を入れてくださってる間に、撮影大会!!こちらが二種類の鯉焼きですよ!

青い包装のものが最もプレーンな鯉焼き、黒いほうが生地に墨が入っている鯉焼きです。

anko20140912-8包装紙をとるとこんな感じ。よく見ると両方ともお腹のほうを並べて写真撮ってますね、私。
anko20140912-10こちらが表(墨)で…
anko20140912-11こちらが裏(プレーン)。

かわいいでしょ~!?
anko20140912-6ご主人がお茶を持ってきてくださいました。ではではさっそくいただいてみましょうか!
anko20140912-9思い切ってお腹から割ってみました。こちらが花豆のあんこですよ~!よく見ると、皮の部分が入っているのがわかりますでしょうか。
anko20140912-7この花豆の皮、ですが。これにもご主人のこだわりが。
なんと花豆を炊くときに、二種類の方法で炊くんだそうです。花豆は皮が固めなのですが、それも美味しさとして考え、一つは皮の硬さが少し残る炊き方にし溜まり醤油を加え、細かく刻んで皮の存在感を残す。そしてもう一つは皮もやわらかく炊き上げる方法で作り、…。そして出来上がった二つのあんこを混ぜ合わせてやっと「鯉焼きのあんこ」になるんだと。

ひゃ~、手が込んでますね~!

いただいてみますと…なるほど、花豆の風味がどんとくるその先に、少し香ばしい気配があります。言われてみたら醤油の香ばしさですね!そして皮の食感がごくごくわずかなアクセントとして舌にあたります。

美味しい!!

すごく美味しい!!

あんこはもちろんですけど、この皮がまた美味しい!!モチっとしていて、食べてて気持ちよくて癖になる食感です。

ううううむ。これはいい。

もし、家の近くにこのお店があったら二日に一度は絶対食べに来ちゃいますよ!と叫ぶ私。なぜ二日に一度かというと、それぐらい制限をかけないと果てしなく食べてしまうからです。

そんなことを口走る私に、御主人はにっこり笑って、

「来週また来たらいいですよ。今季節もので桃のあんこを開発中ですから」

と悪魔の?ささやき…。桃のあんこ~!!?何それ絶対美味しいよ~!!

「来週も、お待ちしております」

……とどめ刺されました。さすがに来週は無理かもしれませんが、鯉焼きを食べるために、そしてご主人と話したいがためにまた来てしまうのは間違いないです!

本当に魅力的なあんこものとご主人でした。皆さんも長野に行ったら絶対に行ったほうがいいですよ~!

藤田九衛門商店
http://fujitakuemon.wordpress.com/

file.75 青木屋の「くろどら」


いちにちいちあんこ

昨日はとある下調べ武蔵小金井を訪ねました。
ここ数日はかなり涼しかったですけど、昨日は暑かったですよね!

取材先を失礼して、次の目的地「江戸東京たてもの園」を目指します。Googleで調べたら35分で歩いていける、とのことでしたので、「なんだ、よゆうじゃん」とあの炎天下の中を歩いておりましたら、いえいえ、なんかもうちょっと遠い感じ。

容赦ない日光と、アスファルトからの照り返しでかなりのダメージです。運動靴をはいていましたけど、運動靴の中も暑さでヒートアップして疲れ倍増。

15分ほど歩いていてふと左手を見ると、なんだか大きな和菓子屋さんが。

「創業120年。武蔵野の和菓子」

そんな感じの文句が書かれたポスターと「くろどら」という字が大きくかかれた旗がパタパタ。

これはもう寄るしかありません。

武蔵野の和菓子、何かいただきたいと思っていましたし、ちょっと冷房のあるところで休まないとやばい状態でした。

さっとお店に入ると、すかさず店員の方が寄ってこられて、冷たいお茶と「黒どら」を一切れ味見にとくださいました。

わあ、なんか感動しちゃいます!!
あんこ者な私ですけども、さすがにこの時ばかりは冷たいお茶が何よりのご馳走!

冷たいお茶をグイッといただき、そのあと「くろどら」をいただきました。
あれ?なんか生地がほわっとしてていわゆる「どらやき」とはちょっと違います。

早速、この「くろどら」と季節の商品だというおまんじゅうを購入しました。

この和菓子屋さん、青木屋さんは、本店は府中にあるみたいですね。そして全部で11店舗の視点があり、ここ小金井店をはじめ、稲城、三鷹、調布など武蔵野全域に展開されてます。たぶん、このあたりにお住まいの方は誰でもご存じ、という町の和菓子屋さんなんでしょうね。

くろどら

こちらのくろどらは、「その日の朝に作った分をその日にしか売らない」というモットーのようです。
くろどら生地に沖縄県産の黒糖を使ってるんだそうで、だから黒いんですね。黒糖の香ばしいいい香りがぷうんと立ちます。
くろどら割ってみますと、こんな感じです!

「100年以上技を磨き作り上げた、自家製餡を挟んだ『どらやき』をどうぞご賞味ください」

とちらしに書いてありますが、青木屋さんは自家製の餡がこだわりの様子。毎月15日は「百年製餡の日」と決めてらっしゃるみたいですよ。

確かに、あんこ、美味しいですよ!しっかりと甘い素朴なあんこです。

そして、この黒どら、やはり特徴的なのはこの皮ですね!
なんかほわっとしたごくごく柔らかいカステラって感じの生地です。いわゆるどらやきの皮とはちょっと違います。キメが細かくて、ほろほろしっとり。これは癖になるな…。

青木屋
http://www.aokiya.net/index.html

インド映画『マダム イン ニューヨーク』。言葉を獲得して自己を肯定していく物語!


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先日、インド映画「マダム イン ニューヨーク」を観ました。
ちょっと悲しい気持ちになっていたワタクシ。でも本映画を見てすっかり復活!!

だれでも、「自分っていったい何なんだろう」なんて疑問を感じて、自信を失ってしまうときがあると思います。そんな時には特にお勧めしたい素晴らしい映画です。

ストーリーをざっくり言うと……

インドの中流よりちょい上目の家庭の主婦シャシさんが主人公。
できるビジネスマンな夫とできる学生な娘は英語ペラペラ。ヒンディーしか話せないシャシのことを事あることにバカにしています。本人たちには悪気はないんですが、英語が喋れない頼りない母、料理作りできるから取り柄があってよかったね、みたいな態度を取り、優しいシャシを傷つけています。

そんなシャシの姉はニューヨーク在住。姪が結婚するのでシャシにきて手伝って欲しいと連絡があり、家族と離れて一人だけでニューヨークに4週間、家族と合流して全部で5週間の滞在が決定。

最初は英語が喋れないので心細く情けない目にあってしまうシャシ。でもふと「四週間で英語が話せるようになります!」という英語学校の広告を見て、家族には内緒で学校に通うことを決意します。

そしてそして…。

あんまり書きすぎるとネタバラシになってしまいますので、あれですが、とにかく、なんとも言えない希望と優しさに溢れたいい映画です!

私は特に英語が喋れないのでものすごく共感してしまいました。相手が喋ってる言葉の意味が分からない、これは本当に心細いものです。

数年前、一年ほどバンコクに住んでいたことがありましたが、その住み始めた頃に、彼女と全くおなじ心境になりました。

同居人は英語もタイ語も話せるけど、私は両方できません。言葉の仕事をしてきて、日本語にはそこそこ自信がありましたが、そんなことは全く役に立たない。
そんな自分は何にもできない、小さくて情けない存在に思えてしまって、とてもきつかった。

でも、タイ語の学校に通うようになって変わりました!
タイ語しか使わないでタイ語を教えてくれる学校だったので、英語が話せようが関係なし。最初の一ヶ月はどの国のひとも全く話せない、赤ちゃんレベルでどうにか話そうとするので、まるでカオス。
インド人、シンガポール人、イギリス人、韓国人、日本人、ロシア人、オーストラリア人。そんなバラバラな人たちががんばってタイ語を話そうとしてる、それだけでなんか笑えます。

最初は名前と出身地、年齢くらいしかわからなかったのが、二ヶ月目には大学でなんの勉強をしてるのか、何の仕事してるのか、どんな趣味があるのかわかってきて、三ヶ月目にはだいぶカタコトですが電話で話したりもできるようになりました。

言葉を獲得していく喜びは、自信を取り戻して行く過程そのものです。

そして、自分で狭くしてしまってる世界の中で息をするのが苦しくてしたがないとき、「ああ、世界ってこんなに広いんだ、いろんな文化があって、いろんな人がいるんだ」と感じることは癒しになりますよね。

シャシも、学校で出会ったいろんな国の友人との交流、肯定によって、彼女本来の価値を自ら見出し、自信を取り戻して行きます。

女性には特にお勧めですが、男性にもぜひみてほしい!

なんか自分に自信がもてないな、とか、周囲の人となんだかしっくりいかないな、そんな時にはとってもよく効く映画ですよー!


「マダム・イン・ニューヨーク」
http://madame.ayapro.ne.jp/

file.74 新正堂の『切腹最中』と『景気上昇最中』


いちにちいちあんこ

新橋で友人と待ち合わせということになった時、「切腹最中買いに行こう!」と思いつきました。

甘いものに詳しい方から以前からお勧めいただいていたのですが、新橋のあまり行かない方向にあるので、なかなか足をのばせずにいたのです。

『切腹最中』という名前がすごいですよね?

なぜこんなネーミング?と思いますが、「忠臣蔵」で有名な浅野内匠頭が切腹した屋敷があった場所にある和菓子屋さんだから、ゆかりのものを作ったということなんだそうです。

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こちらがその新正堂さんです。

新橋駅から7、8分ほどでしょうか。銀座とは逆の方向。

こじんまりとしていて、なんかいいかんじです。テイクアウトのアイスなんかもあって美味しそうでしたよ。

いろいろ悩みましたが、お目当ての切腹最中のほかに「景気上昇最中」というのも買ってみました。サラリーマンの聖地・新橋にふさわしい最中です。

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こちらが念願の『切腹最中』!

パッケージが可愛いですよね。

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全体を覆うのではなく、まるで帯のように白い和紙で真ん中を結んでる。この白い帯が不思議と「武士」って感じ出してますよね。

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いいですね、なんか粋だなあ。

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そして皮からはみ出しそうに詰められたあんこ。おなかからはみ出しちゃってるあんこ、切腹、、、

そう考えると結構えぐいデザインかもな……

いえいえ、そんなこと考えちゃいけません。
anko20140823-6あんこは粒あんで、中に大きな求肥が入っています。

あんこは、……美味しい!

アズキの深い味がとてもよく出てますよ!甘味はそれほど強くないはずなんですが、あんこの深い味が重みとなってずっしりとした感じになっています。

anko20140823-7そしてこちら『景気上昇最中』。

いいですねえ。これはクライアントに手土産でもっていくのにもってこいですよね。

ちなみに、『切腹最中』はR25の、「謝るときにもっていきたい手土産」ランキングで一位に輝いたんだそうですよ。「腹を切ってお詫びします」みたいな感じですか。洒落が利いてていな~w。
anko20140823-8おお、やっぱりというかなんというか、小判型です!
anko20140823-9割ってみると、こちらのあんこはこし餡です。黒糖の風味が利いてますね!
切腹最中のあんことは全く違う方向性のあんこで、いい感じです。種類は同じく最中ですけど、まったく違うお菓子といえるかも。

HPを拝見すると、ちょっと面白い解説があったので転載しますね。

「縁起の良い小判型の最中にこしあんで黒字にちなんで黒糖を使ったコクのあるあんをいれました。黒糖はカルシウムや鉄分などのミネラル、ビタミン類をたっぷり含んだ、栄養価の高い自然食品で、疲れた体と脳に活力を与えます。「景気上昇最中」を食べて、イライラを解消し、集中力をアップさせ、一日も早い景気上昇(回復)をめざして頑張りましょう。」
(新正堂HPより転載)

「イライラを解消し、集中力をアップさせ」なんてのがいいですね~ww。

確かに、この最中を食べて一服するとちょっと余裕を持てるかも。

新正堂さんのお菓子は、どれもとにかくちょっとシャレが利いてる。お店の方も朗らかで優しい感じで、とても気持ちよくお買いものできました。

今度、仕事先にお持たせをすることがあったら、ぜひこちらのお菓子を使ってみたいな。

何かのついでに、ができないのがちょっと大変ですけどね。

新正堂
http://www.shinshodoh.co.jp/index.htm

大好評シリーズ『おけら長屋』第三巻刊行記念!9月15日、東京下町・曳舟にてサイン会を開催します!


お手伝いさせていただいております、『本所おけら長屋』(PHP研究所)シリーズ、待望の第3弾がいよいよ9月10日に発売になります!!

20140821どどーん!

ご本人のお許しをいただきましたので、PHP研究所のN編集長のお写真も大公開!

落語と小説を愛してやまないN編集長。
大変お忙しい方ですが、特に本シリーズ『おけら長屋』への愛情は計り知れないものがあります。

いつでもどこでも、畠山先生が作ってくださった「おけら長屋はっぴ」を持参。営業に余念がありません!!

そしてこうして3冊を並べてみたりして。いやあ、いいですね!!
N編集長も感無量といった面持ちです。

さて、今回のお話も、お待ちいただいてる皆さんにご納得いただけるような、素晴らしい造りになっていると思います。笑いあり、泣きあり。人間っていいよねえ、とほっと一息つけるような……そんな優しくておもろい世界はますます加速してますよ!!

そして、今回は何と、刊行を記念してサイン会を開催いたします~~!!!

「畠山健二先生サイン会」
日時:2014年9月15日(月)15:00~
会場:廣文館イトーヨーカドー曳舟店 
     東京都墨田区京島1-2-1 イトーヨーカドー曳舟店内4F
     TEL:03-3611-4101 (電話予約可)

著者の畠山先生はほんっと~に面白い洒脱なお方!

「一人おけら長屋」みたいな、江戸の粋と洒落を背負い立つすごいお方です。

そして今回会場となります廣文館イトーヨーカドー曳舟店さんは、地名で言うと向島界隈。まさに下町、おけら長屋のサイン会にふさわしいお店です。

まさに「リアルおけらワールド」。ぜひこの機会にご堪能いただけたらと思います。
私も当時は法被を着てお手伝いしますので、是非、遊びに来てくださいまし!!

(詳細はこちらもご覧ください!)
廣文館HP http://www.kobunkan.com/index.html

PHP研究所 http://www.php.co.jp/news/2014/08/hatakeyamakenji.php

”山への一歩を踏み出す小冊子”『山歩みち』、三冊一気に届く!!


先日、古巣が一緒(でも部署は違う)の仲良しで、退職後も仲良くしてもらっているK氏と、お昼を食べました。

K氏は本当にアツくて実行力のある人で、すごい人なのですが、わたしから見るとお茶目な「野生動物」のような人なのです。

待ち合わせ場所に現れたK氏、ランニングに短パン、リュックサックに坊主頭で肌はこんがり焼けています。

「遊びすぎてる小学生男子か!」

と思わず突っ込んでしまいましたけども(笑)。久しぶりに会うので、なんとなく照れくさそうに頭を掻くK氏。

まったく憎めない、微笑ましい人物です。

さて、そんな彼がしているお仕事の一つで、彼の志の根幹ともいえるのが『山歩みち』というフリーペーパーです。山のフリーペーパーとして、こんなにおしゃれで一流の書き手や登山家、写真家が登壇する雑誌というのはまずない、というか、K氏でなければ不可能に近いでしょう。

『山歩みち』
http://www.sanpoweb.net/

質のいいものは読者に伝わるもので、年々発行部数を伸ばしまくり、書いていいのかわかりませんので書きませんけど、こういった雑誌としてはちょっとぎょっとするような部数を発行しています。

近況から、今後の計画、ビジョンを改めて教えてもらいましたけど、ぎょええ、すごいじゃん、でもKさんはやっちゃうんでしょ、それ!?と叫ぶ私。

志高いなあ。

細かくここでは書けませんけど、彼なりの理想があり、それを少しでも実現させるための計画はすごく緻密に、理系的に考えられているのです。

ううむ。

これぞ、私が考える「野生動物」ってやつです。理想を実現させるためには何が必要か冷徹に判断してる。動物が生き抜くために必要なことを直感的に選択しているのと一緒です。すごいなあ。

……さてさて、ちょっと前置き長くなっちゃいましたが、そんなK氏が編集人を務める雑誌『山歩みち』が手元に届きました!

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今回は、なんと三冊も一緒に!

本誌の特集は「北アルプス」。夏と言えばなんとなくこの北アルプス、とさして詳しくない私が思ってしまうので、Kさんがこの季節いつも北アルプスにかかわる仕事をしていたからかもしれません。

初心者に優しい誌面づくり変わらず。行く人には役に立つのはもちろん、行かない人でも行った気になっていい気分になること間違いなし。

連載がいつも楽しみなんですよね。

巻頭カラー「風と頂き」は石川直樹さん。そして密かに北川さんの「山麓ラーメン」は毎回熟読しています。今回が相模湖周辺でしたが、山に登らなくてもラーメン屋さんだけでもまわりたくなってしまいます。

そして、ほかの二冊は「別冊」。「伊豆七島の山」と「谷川岳」ですよ。

それにしてもすごいな~。これ全部編集人Kさんですもの。ほんとすごい。

こちらは、全国のアウトドアショップで手に入れることができます!
http://www.sanpoweb.net/category/shoplist

ぜひ、お手に取ってみてくださいね~!

(むとう)

file.73 茜丸本舗の「名入れどらやき」


いちにちいちあんこ

なんとひと月以上あいてしまった~~!!

一日一あんこは、続行しておりますが、アップが間に合わず…。あかんですよね。

反省。

……

さてさて、気をとりなおして、本日のいちあんこでございます。

本日のいちあんこと言っても実はもう二週間ほど前のいちあんこ(正直申告)。実はリアル今日のいちあんこは十万石まんじゅうでございましたが、これはもうご紹介済みですので、良しとして。

20140303さて、こちら、編集をお手伝いさせていただいております畠山健二先生の大ヒットシリーズ第二弾!『おけら長屋(二)』。来月にはお待ちかねの第三巻も発刊されます。今頑張って最後の仕上げに入っておりますよ~!

さて、そんな畠山先生かいただきましたのが、今回ご紹介するどらやきです。

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大阪在住のカリスマ添乗員Hさんが、たくさん送ってくださったとのことで、おすそ分けいただきました。

anko20140802-2わああ、名前が書いてあります!

ネットで調べてみますと、こちらの茜丸本舗さんでは、「名入れ菓子本舗」という事業をされているみたい。
anko20140802-3ほわほわした生地でおいしそう。

どれどれ……

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あれ??

あんこの色が少し淡いですよ?

よく見てみますと、どうもアズキだけじゃない豆が入っているみたい。サイトを調べると茜丸本舗さんの一押し商品が「五色どらやき」で、なんと五種類の豆を使ったあんこなんだそうですよ!
金時豆、うぐいす豆、小豆、虎豆、白小豆の御種類が入ってるんですって。私が食べたものの中ではうぐいす豆は見かけませんでしたが、なんとなく虎豆かな?金時豆かな?というのは発見できました。

アズキだけじゃなくていろんな風味の豆が入ってると、味がぶつかるかなとおもいますが、そんなことはなくちゃんと一つの味になってます。すごく美味しい!さすが大阪!!
サラッと軽い感じでいくらでも食べられちゃう味です。

先生からは9個もいただきましたが、我が家は全員甘党ですので、瞬殺でした。私は二個しか食べてないです…悔しい…

 

茜丸本舗
http://www.akanemaru.co.jp/

file.72 かぎや菓子舗の「でっち羊かん」


いちにちいちあんこ「丁稚羊羹(でっちようかん)」ときいて、ピンと来る人は西のほうのご出身ですね。

関東出身なむとうは、大人になるまで「丁稚羊羹」を知りませんでした。

丁稚羊羹というのは、三重県、滋賀県、福井県から以西の各地方で作られているそうですが、その地方地方でかなりいろんなパターンがあるみたい。どちらにしても、「丁稚さんが帰るようなお手軽価格の羊羹」という特徴は変わらないみたいですね。

ちなみに滋賀県近江八幡のあたりでは「竹皮にくるまれた蒸羊羹」のことだそうです。

私がかぎやさんで購入したのは、こちら!
でっち羊かん確か、一本260えん!安い!!

これまでご紹介したいがまんじゅうや中葉が、すごく美味しかったので、この丁稚羊羹も間違いなく美味しいぞ、と思い当初一個しか買ってなかったのですが、もう3個買い足しに、お店に戻りましたよ。お店の人は、驚きながらも喜んでくれましたけど♪

そして、自宅へのお土産にしました。
でっち羊かん家に帰ってから……。さっそくいただきまーす!
あけてみますと、竹の中に蒸羊羹がたっぷりと。
でっち羊かんおお!おいしそ~!
#しかし、ぬかったことに、断面図を撮るの忘れてた^^;。

丁稚羊羹らしく、甘さは控えめ。小麦粉が少し入っているからか、ちょっとむちっとしています。そもそもかぎやさんのあんこが美味しいので、こちらの羊羹もじつに美味しい。練り羊羹のように濃い味ではなく、もっとサラッともちっといただけるって感じです。

その後、ネットで検索して知ったのですが、これはこうして開かないで、竹ごと切って分けて出すといいみたいです。確かにそのほうがかっこいい!ぬかったああ。

かぎや菓子舗
http://tabelog.com/shiga/A2503/A250302/25003922/

file.71 かぎや菓子舗の「中葉」


いちにちいちあんこ

さて、前回に続いて、今回も滋賀県日野町で見つけた和菓子屋さん、かぎやさんで購入したお菓子。

「中葉」です!

中葉 

……前回に引き続き、日野町が誇る名族・蒲生氏中興の祖、貞秀さんのお墓の前の日陰からお送りしております。地べたにじか置きです。すみません。

この「中葉」、たぶん「ちゅうよう」と読むんだと思います。お店の人がそんな風に呼んでいたような気がするのです。ちょっと自信がないのでネットで検索してみたりしましたが、発見できませんでした。

このひとパックで250円。リーズナブル~。

中葉一個の大きさはこんな感じ。二口で食べられるくらいの大きさですね。
中葉クレープ状の皮の中に粒あんが入っていますよ。

中葉割ってみるとこんな感じです。

生地は、なんとお味噌が入ってるそうで、食べてみると程よいお味噌の塩気と、コクがあり、モチっとした食感がいい感じ!味噌の配合のバランスが絶妙だからだと思いますが、キャラメリゼしたみたいな香ばしさも感じますよ!

小麦粉だけではなくて、餅粉も入ってるのかなあ。

あんこは、これまた品の良い甘味で美味しい!味噌のコクと粒あんのほっこりした感じがとてもよくあってます。

うううむ、これも美味しいなあ。

この前にご紹介した「いがまんじゅう」もそうなのですが、非常にシンプルでみんなが知っている素材で作られているお菓子なんですけど、丁寧に気配りをして作られたらこんな風に一段上に上がってしまうんだよなあ、お料理ってやつは…と思いますね。

素晴らしいなあ。
(続く)

かぎや菓子舗
http://tabelog.com/shiga/A2503/A250302/25003922/

 

file.70 かぎや菓子舗の「いがまんじゅう」


いちにちいちあんこ地方に旅するとき、何より楽しみにしているのは、その町ならではの伝統菓子をいただくことです。

自分で言うのもなんですが、その町で古くから続いている和菓子(お菓子)やさんを見つける才能だけは、飛びぬけて「ある」と思います。普段は小心者ですから自信があるなんてまず思いませんが、これだけは、けっこう大きな声を出して言えます。

野原を歩いているときなど、哺乳類や爬虫類の気配はすぐに察知することができるのですが(虫はいまいち察知できない)、その生き物の気配を察知するのに反応する部分を使って、和菓子屋を察知している、と思うのです。

先日も、イシブカツで石造センパイと蒲生郡日野のあたりを取材して、車を走らせているとき、「ハッ」と気配を感じました。
かぎや「む…」

そう唸ってスピードダウン、きゅいっと左に折れて駐車場に入ります。

「むとさん、ひょっとして…」
「はい。ちょっと寄ってもいいですか?」

石造センパイは、こういうシチュエーションに慣れてます。森の中でイキモノを見つける才能と、カントリーサイドで美味しい和菓子を見つける才能を、私が持っていることを知っているのです…。

お店に入ると、おおお!

当たりです。作り立ての上生菓子だけで10種類ほど。そのほかに、見たことのないこれこそこの地方のお菓子だ!と思うものを3種類発見。

いそいそと購入して、次の場所に行っておやつを食べよう、ということになりました。

イシブでむかったのは、蒲生氏郷で有名な蒲生氏ゆかりの場所。蒲生氏郷のおじいちゃんのおじいちゃんである蒲生貞秀(さだひで)のお墓です。
anko20140616-1見てください、この素晴らしい田園風景を!!
このあたりの風景、戦国時代とあんまり変わってないんじゃないかなあ。
これが蒲生氏の原風景ってやつなのではないでしょうか。

ちょっと右寄りの上のほうに赤い屋根の小屋がありますが、その左上あたりにこんもりとした部分があるのわかります?ここに貞秀さんのお墓があり、こちらの基礎部分に彫られたレリーフをみたくて、足をのばしたのです。そのお話はまた追ってですが、お参りを済ませた後、お墓の手前の木陰で包みを開いておやつタイムです。

いがまんじゅう これです~!!「いがまんじゅう」です~!

いがまんじゅうと言えば、我が郷里・埼玉県にも「いがまんじゅう」がありますが、なんと近江の地で同じようなおまんじゅうに出会うなんて!

それにしても美味しそう。あんこの入った柔らかいお餅の周りにもち米をくっつけていっしょに蒸している感じですね。ちなみに埼玉のいがまんじゅうは、小麦粉のおまんじゅうの上にお赤飯を乗っけていっしょに蒸すので、ちょっとちがうかな。
いがまんじゅうお餅はふわっとスルッともちっとしててものすごく上質。あんこはとってもジューシーなこし餡です。甘味も控えめで上品ですがきっちりアズキの風味が生きています。これだけでも美味しいと思いますが、これまたちょうどよい塩気をまとったもち米がそこに違う食感として入ってきたら、もおお!!

そりゃ美味しいですわ!

そして、この赤(ピンク)と白の色が可愛い。ふだんはこの組み合わせなんだそうですが、お葬式なんかでは白と黄色をお出しするんですよ、とお店の人が言っておられました。ちなみに味は同じです。

いや~、ほんとにこのいがまんじゅう、一気に3個はぺろりと行けますよ!

めちゃくちゃ美味しかった!!

ところで、このかぎやさん、このほかにも4種類いただいてみましたが全部美味しかった。なので、数回に分けてこちらでもご紹介しちゃいます。

いやあ、本当に見事な和菓子屋さんです。お店の方もあったかくて素敵だったしなあ。こういう出会いがあるから、旅はやめられません!

かぎや菓子舗
http://tabelog.com/shiga/A2503/A250302/25003922/