【犬スペシャル】土佐犬に会いたい②大志を抱きたくなる桂浜と闘犬センター


大志を抱いてもいいですか
さて、Sさんとお別れしてから、JR高知駅のロータリーに向かいます。バスに乗りこんで、闘犬センター、もとい桂浜を目指しました。

桂浜といえば、坂本竜馬、と連想しますよね。実はこれなんでだか知らなかったんですけど、実際この場所で何か歴史的事件が起こったとかそういうことじゃないんですって。割と近くに実母の実家があり、そういった縁からこちらに銅像と記念館を建設したので「桂浜→竜馬」、というイメージになったみたい。

桂浜の波。なぜか全景写真がない。どうして普通の写真をとらなかったのか自分がわからない。

それにしても美しい浜でした!
すごく小さいきれいな丸石がころころしてて、砂浜というよりも小さな石の浜って感じかな。波がざっぱーんと打ちよせる感じが外洋に接してる浜であることを感じさせてくれます。ここは流れが非常に難しいので遊泳は禁止されているとのこと。いや~なんかそれも納得の雄大な風景!

それにしても…何でしょう。ここに立っていると、妙に大志を抱きたくなるっていうか。
へんにテンションが上がって、「おりゃ~やるど~!」とか叫んだり、走りだしたりしちゃいそうな、そんな気配に満ち満ちています。うずうずとしてくるというか。

しかし、私は出張中で、思い切り「スーツの女」です。足元は皮のパンプスです。日曜日の午後に、この姿で一人で桂浜に来ているという段階で、周囲の人が少々心配な視線を投げかけています。ここでこれ以上、善良な皆さんを心配させる行為は慎もうと思い、靴を脱いで足を水に浸すだけにとどめました。
女の一人旅というのもなかなか気を使うものなのです。

いよいよ闘犬センターへ
さて、この浜のそばにあこがれの闘犬センターはありました。見た感じ、よく伊豆の浜とかにある「お土産海産物センター」みたいな感じの流れです。
早速入園料を払って時間をチェック。ここでこなすべきなのは、横綱犬の土俵入り、闘犬、子犬との触れ合い、この三点。この当時いくらだったかちょっと忘れてしまいましたが、現在の料金を見ますと全部で2000円みたいですね。

闘犬を観戦したくない方には、土俵入りと子犬との触れ合いだけなら500円みたいなので、こちらをお勧めします。
正直言って、私の場合、闘犬は見たくありませんでした。土佐犬は見たいですが、犬が戦いあうのを見るのは気が進まなかったのです。しかし、その「戦う」ということも彼らの属性なのですよね。そう考えて、ちょっと躊躇しましたが、やはりこれは見た方がいい、と考え観戦しました。

横綱、かっこええ!!
さて、横綱登場です!
土佐犬は、マスチフ、ブルドッグ、和犬などいろんな犬種を掛け合わせて作られた犬なので、いろんな大きさがあるんですって。小型、中型、大型、超大型の階級があって、この横綱君は多分「超大型」にあたるのかな?超大型は56kg以上だそうなので、この子は横綱ですからさらに大きいですよね。

その時の説明では、実際闘犬を行うのは中型犬が多いとのお話でした。なので、恐らく今日もこの子が戦うわけではないみたいです。まずはデモンストレーションってかんじでしょうか。それにしても、すごい貫禄です。

静かなる闘い
さて、横綱が下がって、今度は二頭の土佐犬が入ってきました。確かに先程の横綱と比べますとかなり小さい。全身が細身で機敏な感じです。
闘いが始まっても、ものすごく静か。なぜかというと「鳴き声、唸り声、走る、威嚇する」、こういったことをすると即「負け」なんですって。なので、二頭はお互いの喉元にかみついたまま、離れません。

時に頭を振りあうので、その時には周囲に涎が飛び散ります。私は一番前の席にいたので、たまに涎の雨が降ってきましたが、何か神聖なもののような気さえしました。

結局、勝負は引き分け。
離れようとしない二頭の鼻面に火を押し付けてようやく離れさせました。

それにしても、想像していた闘犬とはまるで様子が違いました。血が飛び散るわけでもなく、犬の鳴き声や唸り声もありません。
ただ、静かに二頭の闘気がぶつかり合うのを目撃した、という感じです。闘犬は残酷なもの、と思ってましたがこれを見る限り、ちょっと別物な気がしました。

これからもずっと闘犬を見続けたいか、と聞かれたらあれですけど、この機会に見てよかったです。少なくとも土佐闘犬の本質の一端を見ることができた気がしました。

子犬、めちゃかわいい~!
緊張感あふれる闘技場を後にして、子犬たちと触れ合えるコーナーへ。

ん!?カワウソみたいなのがいるけど!?

わ~、いました!飼育員のお姉さんが子犬たちを出してくれています。
かわいい!なんかテロン、としてますよ~。
これで一カ月くらいって言ってたかな?そう考えるとやっぱり大きいですよね。

おもに子どもたちが、抱っこさせてもらったりしてましたが、私もここは遠慮してる場合じゃありません。どんどん前に行って「私にも抱っこさせて下さい」とアピール。なでてみると、スベスベでビロードみたいな毛並みです。

スーツ姿の私を見て「大丈夫ですか?」とお姉さんが気を使ってくださいましたが…。
いいんです!毛だらけになっても泥だらけになっても抱っこしたいんです!…というわけで無事抱っこさせてもらいました。しあわせ~。ほんとに一瞬の抱っこでしたが、ほんとに行ってよかったと思いました。

赤ちゃんだからなのか、寝るのが大好きだそうで、いつもこんな風に兄弟折り重なって寝てるみたいです。いっぱい寝なされ~大きくなれ~

そんなこんなで、土佐闘犬との出会いは終了。

5年ほど前のことなはずなのに、あの時のことをものすごくリアルに思い出してしまいました。ぜひまたあらためていきたいなああ。

(おわり)

土佐闘犬センター
http://www.tosa.or.jp/index.html
高知県高知市浦戸6番地
アクセス:JR高知駅からバスで30分くらい(だったような)

【犬スペシャル】土佐犬に会いたい①高知って楽しい


高知県への旅
土佐、高知と言われて思い浮かぶものって何ですか?そうです、カツオですよね?(いきなり脱線)

もう5.6年前のお話になります。夏の終わりごろ。高知市内のお医者さんに取材をするというお仕事が舞い込んだので、私は颯爽と美味しいカツオはどこで食べるべきか、とリサーチ始めました。
やはり、一緒に取材していただくライターの方に、少しでも美味しいものを食べていい気持ちでお仕事していただきたいし、ね。実際のところ、美味しいけどそこそこリーズナブルなお店を探すというのも編集者の大切なお仕事なのですよ…。ふふふ…

私はこういう方面では割と有能ですので、なかなかいい感じの郷土料理屋さんを発見し予約。地元の方から「塩たたきを食べるべし」との情報もゲットしました。
なんと!カツオのたたきを塩で食べるとは!さすがカツオ大国です。
#最近はこの食べ方は一般化してるのかな?当時はあまり聞かない食べ方だったのです。

もちろん出張の日程は、さりげなく土曜日に設定。そしてさりげなく自費でもう一泊宿を予約。
取材はちゃんとやりますよ。…でも、日曜、昼間の便でお帰りになるライターS氏を見送った後は自由時間です。つまり1・5日はフリータイムなわけです。
これは、あれだ!
夢の「土佐闘犬センター」に行くチャンス到来!?念のため、Sさんに「闘犬センターで土佐犬を見たり抱っこしたりできるみたいなんで、自費になっちゃいますけど一緒に行きませんか?」
とお誘いしたところ、『お前一人で行け』と冷たくあしらわれました。

今思えば、「あの竜馬で有名な桂浜に一緒に行きませんか?」といえばよかったのか…。普通はそっちの方が有名なんだし、そいで「せっかくですから土佐男の魂・闘犬も見ていきませんか?」とか言ってセンターに行ったらよかったんでわ?と今気付いた…。うーん、失敗した(笑)。

高知県は見たいもの食べたいものがたくさんなのです
しかしとりあえず、高知竜馬空港についた私たちは早速取材地へレンタカーで向かい、無事仕事終了(いや、ちゃんと仕事しましたよ。マジで)。

土佐の郷土料理が食べたくて。5年前の当時では食べログとかそういう便利なもんはなかったんですよね。隔世の感あり。

夕方には予定通り土佐の郷土料理屋さん『陣屋』にて塩たたきにありつきました。いや~、これ美味しいんですけど、カツオが新鮮じゃなかったら無理だわ。塩が容赦なく素材の味を引き立てますので、少しでも臭みがあると多分相当ダイレクトにきます。
ほかに、ニシ貝の焼いたのとか、サバすしとかたくさんいただきました。
#なぜか料理の写真撮るの忘れてた^^;

同行者のライターSさんは、あすの午後一の便で東京に戻りますが、それまでちょっと時間があります。
ここまできたらやはり、高知名物・日曜朝市にいかねばなりますまい!もちろん高知城にも。

日曜朝市、半端ないです!
高知県の日曜朝市はなんと1690年から続いているという歴史ある朝市です。300年もずーっとやってるんですねえ。すごいなあ(もっとも日曜日に開催となったのは明治維新以降でしょうけれども…)
こういうときの私はばっちり早起きできます。6時に起きて支度をし、ライターさんを起こして一緒に朝ご飯を食べて7時半にはホテルから朝市に向かいました。 高知市追手筋というところで、約1・3キロメートルにわたりお店が所狭しと並んでいます。
とりあえず、おお!アサヒガニ発見!(写真一番左・中央下)。
あと、なんだろう、ガザミかなあ。やたら美味しそうなカニも茹でて売られてますよ。ああああ、朝ホテルでご飯食べなければよかった~~
それに、このアユ、見てください!こんなにプリップリで美しいアユがひと盛1000円ですと!

そのほかにも、これでもかと美味しそうな物が売ってましたが、とりあえずおばあちゃんが売ってたお寿司とあんこの入ったお餅を買って食べながらそぞろ歩き。
買いたいものがたくさんでしたが、何しろ生ものは日持ちがしないので、あきらめてお城へと向かいました。

高知城、いいわ~
さて、高知城です。こちらは本丸の建物がごっそりと建造当時のまま残る、全国でも唯一のお城。重要文化財に指定されています。
おおお。かっこい~!そいでもってここの天守閣からの眺めがまた格別でね。
ふは~~。いい気分です。
高知というと、幕末が有名ですが、それ以外にもみるべきものがたくさんありますね。満足して疲れ切ったSさんを空港までお送りして、いよいよ一人で念願の土佐闘犬センターです。わあ。どきどきするなあ。
(土佐犬に会いたい②大志を抱きたくなる桂浜と闘犬に続く)

【犬スペシャル!】日本犬にあいたい


日本犬が好きなんです!
ニホンオオカミに思いをはせていますと、日本犬にもまた思いが飛んでしまいます。
日本犬って、ほんといいですよね~~。

日本犬と言えば「柴犬」。カレンダー「子柴」2013から。かわゆいなあ。

はっきりいってどんな犬もそれぞれ素晴らしいんですけど、日本犬のりりしい姿には理屈抜きで魅かれてしまいます。

私は、以前とある出版社に所属していた時、犬猫のカレンダーを作っていたことがありまして、その時には、「柴犬」のカレンダーを二点新作として担当させていただきました。

当時、企画会議では、
「マーケティング的に、景気も悪くなると保守的な風潮が高まり、内向きになるため、従来の犬種が人気が出るのです」…なんてプレゼンしましたが、もちろんこれも本当にそうなんですけどね、何のことはない、自分が好きだったから、っていうのが一番の理由です。

実は個人的に、「日本犬」はずっと気になってひそかに追いかけていたテーマなのです。ご存知のように、犬は人間が最も早く家畜化した動物で、生活を共にしてきたコンパニオンアニマル。このイキモンブでも、実際に日本犬の故郷に行って、日本犬のレポートをしていきたいともくろんでます!

けっこう多い!日本犬の種類
日本犬、と一口にいっても実はいろんな種類があります。実は、日本犬って「天然記念物」なんですよ。知ってました??!

文部省(当時)は、純血種がどんどんいなくなっていくことを危惧し、「狩猟の暮らしを伝える猟犬」を日本犬として天然記念物に指定しました。
一番初めに指定されたのは「秋田犬」(昭和6年)。ついで、甲斐犬、紀州犬、越の犬(残念ながら絶滅)、柴犬、北海道犬、四国犬が指定されました。現存では6種が指定されています。
ほかにも、川上犬(長野県指定天然記念物)、琉球犬(沖縄県指定天然記念物)など、県指定の日本犬、「山陰柴犬」など、また指定されていなくても、たくさん在来犬種がいるんだそうです。すごいですね。

ちなみに、今一番有名な日本犬は、ソフトバンクCM「おとうさん」ですよね。彼は北海道犬(アイヌ犬ともいう)です。北海道犬は白い色、ってわけじゃなくて、赤色(茶)が多いんじゃないかな?
それからちょっと前に、ブサカワで有名になった「わさお」君。彼は秋田犬です。「ハチ公」も秋田犬ですが、だいぶ印象が違いますね。わさお君は長毛種の秋田犬です。

「和犬」じゃない日本犬もいます
和犬じゃない日本犬、というのもいるんです。どういう意味かというと、もとは外国からやってきた犬なのですが、日本で交配されて固定化され、日本原種と認められるようになった犬なんですね。こういうのも広義では「日本犬」と呼びます。狆(ちん)、日本テリア、日本スピッツ、土佐闘犬の4種類がいます。

土佐闘犬は一般的に土佐犬と呼ばれますね。よく飼い主や隣人をけがさせてしまったとか、殺してしまったとかでニュースになってしまう犬種です。
そのために、どうも「怖い犬」というイメージがありますよね。なにしろ「闘犬」だし。

だけど、これもある意味しょうがないんです。だって闘犬を行うためにより強く、闘争心をもった遺伝子を組み合わせて犬種を固定化してるんですから…。ふと闘争心に火が付いてしまったりするのも、犬のせいじゃありませんよね。
ですので、土佐犬を愛しているであろう飼い主の方でけがをされた方は、むしろ、自分を責めたりしてるんじゃないかな?と思います。それだけ強い犬なんですから、人間がいろいろ気配りをしなくちゃいけませんもの。それを一番知っている人たちですからね。

さて、土佐犬、ほんとにそんなに怖い犬なんでしょうか?…そう疑問を感じたら、会いに行くしかありませんよね!!
そんなこんなで、数年前になりますが、土佐犬に会いに行ってきました。土佐桂浜まで!(出張にかこつけて!)
(土佐犬に会いたいに続く)

人魚に会いたい~愛され続ける運命?~


さて、ここで人魚伝説についてちょっと調べてみましたよ。
求めるものには必ず与えられる…。
こんな本を発見しました!

『人魚の博物誌~海獣学事始~』神谷敏郎著(思索社・1989年)

『人魚の博物誌』神谷敏郎著。

「人魚」が歴史上どのようにとらえられてきたか、というお話から、海牛類の生態などについて、網羅的に紹介しています。

本書によりますと、たとえば、古代ローマの博物学者・プリニウスの『博物誌』には、スペイン西南の大西洋岸で「海人」が現れた、と記述し、またマナティそっくりの動物のことも記述されてるらしい。

少し時代は下りますが、「ルネサンス期の最高の動物の書」と言われる『動物誌』(ゲスネル著)にも人魚は登場しています。人魚、っていうか半魚人、って方がイメージ合うな…

ゲスネル『動物誌』にある男性の人魚の絵。「海の怪物を前に説教する人面魚体の修道士と司教」だそうですよ…(『人魚の博物誌』P11より引用)

え、えーと…。なんかよくわからない生き物であります。人魚の話をしようとして人魚から遠ざかってしまいましたね。
左側の司教がまとっているマントが「魚のマント」だそうで、このマントを脱ぐと人間の姿になれる、ということだそうです。ううむ。
ゲスネルの『動物誌』には何とそのものずばり、マナティの絵も掲載されているそうで!!

(『人魚の博物誌』p14より引用)

え、ええーっと。
何これ。……牛?

ゲスネルの『動物誌』が書かれる50年ほど前にアメリカ大陸が発見されており、新大陸の方に、現地の人が「マナティ」とよぶ海牛類がいるそうだ、というのは伝わってきてたらしいんですが、ゲスネルは見たことないので、素直に「海+牛」にしてしまった、って感じでしょうか。うーんうーん…

一方、日本はどうだったんでしょうね。
日本も、結構昔から「人魚伝説」はありますよね。古くは日本書紀(720年)に記事が載っているらしいです。昔話で有名なのだと、人魚の肉を食べて不老不死になったという「八百比丘尼」のお話とかね。周囲を海に囲まれてますから、この手の伝説や物語には事欠かないって感じでしょうか。

さて、素晴らしいことに、本書には、日本初の図入り百科事典『和漢三才図会』(1713年)の人魚の絵が掲載されてます。江戸時代中ごろの絵ですね。

『人魚の博物誌』p17より引用。

おお。なんかこれは結構想像していた人魚に近いんじゃないでしょうか?
しかし、やはり、どう考えても「人魚はジュゴンを見間違えたんだ」っていう説は、無理があるなああ。決定的に違いますもん。

さて、そんなこんなで、本物のマナティに戻りたくなってきました。
ここで、いよいよ真打?登場です!

『マナティ』福田幸広著(二見書房)

わああ~~!かわいいい~~!!!

この写真集を書店で見つけた時、私は思わず両手で手にとって、握りしめましたよ。
マナティ、かわいすぎる!!

この写真集は、アメリカ・フロリダ州にある「クリスタルリバー」という町で撮影されたものなんだそうです。
マナティは寒いのが苦手で、毎年11月になると、メキシコ湾からクリスタルリバーという川に上ってきて、春まで過ごすんですって。
(クリスタルリバーは、いたるところから湧水がわきでていて、そのために温度が一定なんですね)

ここに行きますと、野生のマナティと普通に触れ合うことができるんだそうです。写真集の中をご紹介するのはちょっと反則とは思いますが、一部だけちょっと掲載させてください!

『マナティ』福田幸広著、P10-11から引用。

わ~~~!マナティが足に抱きついてる~~~~!!!
キューってなってるわあ~~~!!!
この写真集には、ウソみたいにフレンドリーなマナティたちがたくさん登場しています。彼らは野生らしいんですが、好奇心旺盛で人間が大好きなので、ダイバーに積極的によってきたりするらしいのです。
わあ。いいなああ。

私は、この写真集と出会って、いつか絶対クリスタルリバーに行く!と心に決めました。
だから、いつも11月になると、今期こそどうにかならないかな~と思い悩むのです。

この本の中で、著者の福田さんは、『彼らの闘争本能のようなものを見たことがない』と書かれています。何があっても反撃しないことにとても驚かれてるんです。『マナティを“泉に落ちた天使”と呼ぶ人がいます』とも。

マナティは、私が想像していた『美女』っぽい人魚じゃないですけど、その心根と言いますか、存在がものすごく美しい生き物であることは、間違いないなあ、と思います。ひょっとしたら、昔の人もその愛らしい仕草とかにやられて、彼らを美しい女性のように描いたのかもしれませんね。

日本でもマナティは、先にご紹介した沖縄の「美ら海水族館」でも見られますし、あと「鳥羽水族館」(三重県)、「熱川バナナワニ園」(静岡県)、「新屋島水族館」(香川県)でも見られるそうです。
鳥羽水族館では、世界で唯一飼育されているアフリカマナティとさらにジュゴンもいるそうですよ!熱川バナナワニ園では、これまた珍しいアマゾンマナティがいるそうです!ぜひ一度生で見てみてください。ほんと、かわいいですから!
クリスタルリバーには今期もいけなさそうなので、がんばって鳥羽水族館に行こうかなあ。

(終)

 

人魚に会いたい~リアル人魚と出会う~


人魚伝説。
はかなくも美しい、人魚をめぐる伝説たち…。

そんなイメージはきっとアンデルセンの『人魚姫』からきているんだと思います。王子さまに恋して、魔女の力を借りて声と引き換えにして人間になって追いかけたけど、まったく報われず、結局水の泡と消えてしまう美しい人魚姫の物語。

いや。でも、この話、どう思います?
私は子供ながらになんて救いのない話なんだろう、と思ってびっくりした覚えがあります。しかも人魚姫にもあまり同情しなかったなあ。だって、王子さまだってわけわからんだろうし。

そして、『人魚』の不条理さに慄いたのは、それだけではありませんでした。とある子供向け図鑑を読んでいた時のことです。『ジュゴン』という海獣類の項目に『人魚伝説のモデルなったとされる』と書かれているではありませんか。
おお、それはさぞかし美しい動物なんでしょうね、と思って写真を見て腰が砕けましたよ。

これが、人魚伝説のモデル、ってのは、そりゃ無理だ!
『昔の人は、船の中からみるとそういう風に見えたんだよ』みたいにお茶を濁してましたけど、昔の人って今の人以上に目がよかったと思うし、こういうの見間違えるかなあ。【昔のほうが迷信的だから】みたいなもの言いはちょっと違和感があります。
……ともかく。これが私の「人魚初体験」でした。人魚のモデルとされるジュゴンにも近縁種のマナティにもほとんど関心も湧かずそのままにしていたのですが…

出会いは突然やってきました。
15年ほど前のこと。私は初めて沖縄に行きました。この旅行で私はすっかり沖縄にはまってしまい、ついには沖縄民謡まで習い始めてしまうことになるのですが、それはまた別のお話。
この時、初めて「美ら海水族館」に行ったんです。これまたまさに運命の出会いでした。

おおお!?丸くてかわいい?

その時のマナティたちは、お昼ごはんにキャベツ(レタス?)をもらって食べてました。この写真にはありませんが、短くて平たい前足で丸いキャベツをグイっとはさんで、口の先を押し付けてもそもそ食べようとしています。でも、口がいまいち届かなくて、キャベツの葉っぱのほとんどが口に入らず水面にぷかぷかと浮いて行ってしまうのです。
あああ、なんて不憫な!

丸い!丸過ぎる!口がイモムシっぽい!

体長はかなりあります。3.5~4メートルほどらしいですよ。すごく大きいですけど、決定的に欠けている闘争心みたいな空気。キャベツを食べようとしても半分以上は水面に逃げていってる有様を見ていると、ああこの子たちはこのままほっといたら絶滅しちゃうよ、と心配になってしまいました。

このマナティはアメリカマナティといい、北アメリカ島南部、南アメリカ北部、カリブ海に住んでるそうですが、冒頭に挙げたジュゴンとどう違うというと、ジュゴンは東南アジア(日本では沖縄近海)、インド洋・紅海など熱帯界隈に住んでいて、体長が3メートルくらいでちょっと小柄。マナティはもうちょっと大きくて、決定的な違いは、尻尾がおしゃもじみたいな形ってことではないでしょうか。

尾っぽがおしゃもじみたいですよ。

私は、このまったく自分を守る技を持っていないであろう動物にすっかり魅せられてしまいました。泳ぐのもあんまり速そうじゃない。ご飯も海藻か藻しか食べられない。なんてピースフルな動物なんでしょうか。ピースフル、という点では人魚姫のパーソナリティと相通じるところはあるかもしれません。

よし!もうちょっと人魚伝説も勉強してみよう。そして、愛すべき草食動物・マナティについても。
(人魚に会いたい~愛され続ける運命?~に続く)

今日は犬の日!~犬カレンダーに耽溺~


11月になりました!今日は犬の日だって知ってました?
11月1日。ワンワンワン(111)…ということで、ね。犬の日だということで。

ありをる日誌でご紹介しました犬・猫のカレンダーの詳細を、もうちょっとイキモンブらしくご紹介していきたいと思います。犬の日にふさわしいですね!(?)

さて、かつて所属していた出版社は自然・動物の写真印刷に定評がありまして、写真を楽しむタイプのカレンダーをたくさん出しています。
価格は500円台から1500円くらいまで(だったかな?)。壁掛けタイプ、卓上、ノートタイプ、大中小とあらゆる形のカレンダーが勢ぞろい。どれも素晴らしい写真家の方の、一番いいお写真をお預かりしてつくっちゃいますから、そりゃもうお好きな方にはたまらない、ということになるわけですよ。
と、前置き長いですけども。

先日、その際に一緒にカレンダーを作っていたフリー編集者・丹由美子さんと久しぶりにお会いして、カレンダーをいただきました。
「懐かしいでしょ~?」と私もかかわっていたカレンダーの最新版をドサリ。どわ~!かわゆすぎ~!!

丹さん編集のカレンダーは最高にかわいい!

4点とも、写真家・植木裕幸さんのお写真で構成されています。
植木さんのお写真は、ホンっとーに「可憐」なのです。ご本人も可憐なのですが(男性なのですけども)、ただでさえかわいい犬や猫がさらに一皮むいて可愛く綺麗になっちゃうって感じなんです。

さて、今日は犬の日、ということでこの中でも特に犬カレンダー二点を詳しくご紹介したいと思います。

ま~かわいい~!
まず、左の「ぺたわんこ」は今年の新作だそうです。
よく、猫の肉球がたまらん!と猫好きな人が言うように、犬好きにもそんな部分やしぐさがあろうかと思います。
私の場合それは、犬のあご下のタプタプしたお肉(皮?)です!たまらん!それから、犬がおなかをぺたっとつけてだらっとしてる姿もたまりませんね~。
それはどういうことかというと、左の写真をご覧ください。
こういうことですわ~。ふう~。

さすが植木さん&丹さん!
犬好きの心をとらえて離しません!
さらに、このカレンダーの驚くところは、値段が安いこと。何と700円こっきり!しかもシールがおまけで付いてるのですよ~。すごいなあ。

そして、もう一点。「子柴」カレンダー。
実はこちら、立ち上げは不肖私が担当させていただいたんです。丹さんにご相談しながら作り上げたことが昨日のことのように思い出されます。そんなわけでちょっと格別な愛情のあるカレンダーです。

このカレンダは卓上なんですけど、可愛い写真だけでなく、使いやすさも重視してます。
表面に写真、裏面に書き込みしやすいようなシンプルカレンダー。
お客様がいらっしゃる時には表面を見せておいたりできますし、オフィス遣いに最適ですよ!
それにしても今年の写真はさらにパワーアップ!
いろどり華やかで、フクフクかわいい子犬たちがこれでもかと登場してます。
実は、海外のお友達へプレゼントとして使ったりしてますが、かなり喜ばれます。可愛いものは万国共通ですよね!

なんだか全体的に『!』が多すぎて、我ながらどうかしていると思いますが…。かわいいもんで興奮してしまいまして。

皆さんもぜひお手に取ってみてくださいね!
書店さん、アマゾンさんなどで買えますよ~♪

福田豊文氏写真展@湯島(~10/31)


以前、勤めていた時に、大変お世話になった動物写真家、福田豊文さんの写真展が開催されています。
福田さんにお許しいただいたので、様子を写真でアップしちゃいますね!!こんなかんじ!
福田さんの写真は、いつも「動いて」います。
もともと野生動物の撮影から志され、現在では犬ねこや動物園の写真でも高名ですが、福田さんの写真はどんな場面でも、動物たちが生きているのです。

今回のお写真は、動物園の動物たちでしたが、その動物たちがどこまでいっても飼われるものではなくて、「動物」であることを気づかされるような写真ばかり。
中でも私が釘付けになったのはこの一枚。
上野動物園のハシビロコウさん!
いつもお外で元気に不動の姿を見せつけていますが、こんなに激しく動くなんて!!以前、BBCのドキュメンタリーでハシビロコウがナイル川で魚を捕食しているシーンを見て度肝を抜かれましたが、この写真はまさにそれ以上の衝撃です。

福田さんに「ハシビロコウさん、めっちゃ動いてますね!決定的瞬間!!」と興奮してお話したら、いや、結構動くんだよ~とおっしゃられてました。そっか、そうなのか…w

動物がお好きな方、また写真がお好きな方は是非足を運んでくださいませ!
やっぱり動物ってきれい!かっこいい!と再発見しちゃいます。

PHOTO GALLERY(株式会社ユニバーサルカラー)
:千代田線 「湯島」から 徒歩1分くらい。
〒110-0005 東京都台東区上野1-15-10
TEL : 03-3834-7641 / FAX : 03-3833-7960

ニホンオオカミを知りたい~釜山神社の巻~


さて、いよいよ、念願の釜山神社へ、ご~!

釜山神社のある場所は、埼玉県北部の寄居町風布(よりいまちふっぷ)という集落。秩父線波久礼駅から歩くと40分くらいだそうです。
#私たちは車であっという間に行ってしまいましたけども…。すみませんw。

それにしても、この地名がなんだかよくないですか??
『風布』で『フップ(ふうぷ)』ですよ。音からしておそらくアイヌ語語源でしょうね。埼玉県にはアイヌ語っぽい地名も多く残されているんです。ちょっと調べてみましたら、アイヌ語で「フプ」または「フップ」はトドマツのことだそうです。トドマツは本州にないモミの一種ですから、そのものズバリではないでしょうけど、何か関係はあるかもしれませんね。

さらに。駅の名前の「波久礼」(はぐれ)も古代な香りがして素敵です。こちらの語源も諸説あるみたいですが、『埴塊(はにくれ)』が語源という説があるみたい。近くに古代武蔵の国4大窯業地のひとつ、末野窯業跡がありますから、なんとなくこれなのかな、と思ったりします。

いいわ~。なんか、いいわ~。

…と、感慨にひたってる場合じゃありません。今回はオオカミの神社を訪ねに来たんでした。

さて、釜山神社は、北部の中心都市熊谷と、西部山間部の中心都市秩父をつなぐ道(秩父往還)の難所、釜伏峠にあります。
伝説によると神社の歴史は5世紀ぐらいからみたいですね。
日本武尊が東国平定の際に立ち寄り、奥の宮で神様に供えるためのおかゆを炊き、その炊いた釜をご神体の岩の上に伏せておいたから、釜伏山と呼ぶようになった、なんていうお話もあるそうです。

さて、そしていよいよ、釜山神社です。

実は、平岩氏の著作『狼』には、オオカミ信仰についての項目があり、全国の主な神社の名前が掲載されていますが、この神社は掲載されていません。知る人ぞ知るだったのかもしれませんね。
でも、NHKの『見狼記』のなかで、風布の里が今もオオカミ信仰を継承しており、オオカミの頭蓋骨を大切に祀られていることなどが触れられてました。そして家々の柱に貼られていたお札を発符しているのが、釜山神社ということだったんです。

風布の里をさらに登っていくと、釜伏山の中腹辺りにいよいよ釜山神社があります。
圧倒的に、自然が強い感じ。人間はこの中では小さな存在だなあ。…とビビりな私は、一人で来なくて本当によかった、と友人たちに感謝しながら、参道の前に立ちました。

参道の前に立ちますと……
いた、いました!オイヌ様!いや、オオカミ様、っていうかオオクチノマガミ様!

牙がちょっとこわめですが、体は細身の日本犬みたいでかわいいです。耳が少し伏せてる感じがリアル。
#あんまり興奮して参道全体の写真撮るのを忘れてしまった私…

そんなに古いものではなく明治のころの奉納みたいです。

 
さらに、次々と現れるオオカミ様たち!

奉納されたオオカミ像が参道を見守ってます。全部二体で1セットです。

どれも、明治以降の奉納でした。それぞれ個性的で、何ともいえずユーモラスです。
#私は写真の一番右のオオカミ様が好き。

一番新しいのはこちら。
なんか完ぺき「犬」ですよね。ワンちゃんって感じです。正直言って、爆笑してしまいました。
もはや、日本犬でもなく洋犬。コーギーみたいなかわいくて優しいお顔。全然こわくない!

こちらは、愛子内親王殿下の誕生を祝して奉納したということです。
なんとなく、かわいい雰囲気にしたくなるのもわかりますね。

オオカミ信仰の神社にやってきたのに、何でしょう、この和む感じ。ここを信仰している人たちの温かい気持ちがお像を中心に残っているような気がするからでしょうか。
そして、釜山神社です。たくさんのオオカミ様たちに守られた、お社。そういえばあとで思ったんですけど、こちらのご祭神はどなたなんでしょうか。オオクチノマガミさんでいいんでしょうか。いや、でもお使い神だと思うので、三峰神社と同じように伊弉諾尊(いざなぎのみこと)と伊弉册尊(いざなみのみこと)でしょうか。
オオカミのお像に興奮して、こういう大切なことをチェックし忘れてしまうなんて、あほですね~~。
本当は、番組に出てきた宮司さんにもお目にかかりたかったのですが、どなたもいらっしゃらないようでした。残念ですが、また次回、ということでしょう。

番組によりますと、宮司さんは、今も月に一度、「お炊き上げ」という神事を行っておられるそうです。お米を研いだものを櫃に入れ、背中に背負って険しい山を上がり、奥の宮のどこかにお供えするという神事。もうご高齢なので、とても大変そうで、継承の問題がおこってきてました。こういう信仰は、継承されず消えていくものも多いかもしれません。実際「迷信」とかたずけるのはたやすいです。でも…そもそも「迷信」の多くは深い「知恵」から発してるものなんじゃないか、と私は思うんです。ふと聞くと荒唐無稽なお話でも、そこにはちゃんと意味がある…。オオカミ信仰もそうなのではないかしら。
オオカミは、「自然」を代表する象徴ともとらえることができます。オオカミも自然も時に恐ろしく、時に恵みを与えてくれる存在です。オオカミを畏れ敬うことは自然を畏れ敬うことと同じ意味なんじゃないでしょうか。

実際に行ってみると感じますが、この大自然の中に、オオカミはいるんじゃないか、と思ってしまいます。人間が知ることのできる範囲なんて一部なんだし。

釜山神社で、そんなことを考えて、胸が熱くなりました。もっといろんな神社に行ってオオカミ様に会ってみたい。そんな野心がふつふつと…
そして、きっとまた釜山神社にお参りに来てしまうことでしょう。ここは何ともいえず気持ちのいい場所なんです!

釜山神社
埼玉県大里郡寄居町風布1969番
アクセス:秩父線波久礼駅から徒歩40分ほど

ニホンオオカミを知りたい~下調べの巻~


ニホンオオカミをめぐる物語
ちょっと前の話。 NHKのETV特集で『見狼記』というドキュメンタリーが放映されて話題になりました。
*NHK・ETV特集『見狼記』 http://www.nhk.or.jp/etv21c/file/2012/0219.html

日本全国に生息していたニホンオオカミは、100年ほど前に絶滅したとされてます。
でも、今も絶滅してないと信じて追いかけ続けている人もいれば、本当にいるかどうかは関係なく、先祖からのオオカミ信仰を今も伝えている人々もいます。 この番組は、ニホンオオカミを取り巻く状況、人々を、そのダークな部分も含めてうまく編集されていて、とても面白かったのです。
そんなわけで、私はがぜんやる気になってしまいました!
番組の中で、とても不思議な神事を行っているオオカミ信仰の神社が紹介されてました。 それは、埼玉県北部の寄居町にある「釜山神社」というところ。 実はオオカミ信仰といえば三峰神社@秩父ってかんじで、三峰神社が有名なんですけど、この釜山神社のことは全然知りませんでした。 とはいえ我が家から車で一時間くらいでいけます。 これはいくしかないですよ!!
でも、一人で行くのは心細い。…きっと物淋しい山奥の神社だし。
そう思った私は、変なとこ行くときには、絶対この人はウンと言ってくれるステキな友人で元同僚のSさんにメール。さらに、山岳や秘境の映像ドキュメンタリーを制作しているKさん、生物の図鑑を作っている面白好き編集者Yさんにもメールメール。 思った通り、全員即レス。 面白いのは全員その番組をきっちり見ていたこと。さすがのアンテナです。
「あの釜山神社にいってみませんか??」その私の一言に、説明も必要なくOKしてくれたのでした。さすが過ぎる…

とりあえず平岩米吉著『狼―その生態と歴史』を読む

『狼―その生態と歴史』(平岩米吉著・築地書館)。世界中に生息するイヌ科の動物から、ニホンオオカミの歴史・民俗誌的アプローチまで網羅していてすごく面白い!なんといってもすごいのは、平岩さんはいろんなイヌ科の動物を実際飼って観察をしているところ。明治男ってホネブト!

試験前にはいつもぎりぎりに丸暗記しようとするタイプな私。その習性は今も変わりません。とりあえず、ニホンオオカミについて付け焼刃で何冊か読んで詰め込んだろ、と思って探したところ、この本に行きつきました。
著者の平岩さんは明治生まれ。1986年には亡くなられてしまってます。在野の研究者で、全部独学。日本犬・オオカミ、日本猫の研究・保存、またそれを取り巻く文化を研究した方だそうです。そういえば、昔日本犬について調べていたときに、何冊か拝見したことがあったな~。
この本によりますと、ニホンオオカミは、日本犬の中型のオスくらいの大きさだったみたい。
ちょっと大きめの柴犬よりも一回り大きいくらいってかんじでしょうか。日本犬よりも耳が丸くて小さく、吻も短かったらしい。 色味は茶色ベースで黒毛が所々入る感じ。夏毛と冬毛の色味はかなり違ったらしい。

私たちが、「オオカミ」と聞くと、ハスキーとかアラスカンマラミュートをもっとシャープにしたようなオオカミを想像すると思いますが、ニホンオオカミはもっと小さいし、ちょっと別の動物って感じです。 実際、写真を見てみても、え?ってくらい小さく感じます。

ニホンオオカミの図。シーボルトが入手し、シュレーゲルが描いた『日本動物誌』から(『狼』(平岩米吉著)P202より引用)。

ずいぶん細身で小さいですよね。平岩さんも、この絵のオオカミはだいぶ小さい部類だと言ってますが、でも、私たちがオオカミと言われて連想するイメージよりも胴長で小型だったのは間違いないようです。

神としてのオオカミ

秩父、三峰神社に残る神狼図。狼はオオクチノマガミと呼ばれる神だった。(『狼』(平岩米吉著)P95より引用)

この姿をみてしまうと、少々説得力がないですけど、古来から「神のお使い」、または神として祀られていました。「大口真神(オオクチノマガミ)」と呼ばれます。
農業をする人にとって、作物を荒らしてしまう野生動物を殺してくれるオオカミはありがたい神であり、恐れるべき山の王者だったのですね。
特に、中部・関東ではオオカミ信仰が盛んでした。その中心地は、秩父の三峰神社。有名なのは奥多摩の武蔵御嶽神社、そして今回訪れようとしている釜山神社です。

江戸時代には関東の各地で「オオカミ講」が盛んに行われました。三峰神社などにお参りして、オオカミのお札をいただくと、一枚につき50戸の火難・盗難防止ができるというんですね。番組では現在もこのオオカミ講を行う、集落をいくつか紹介していました。今もその信仰は脈々と生きているんですね。

(~釜山神社の巻~につづく)


ペンギン好きにはたまらない!ペンギンキャンプ2012@埼玉県


今、まさに逃げ出そうとしているペンギン氏。

埼玉県こども動物自然公園には「ペンギンヒルズ」という展示があります。波のたつプールと人口の営巣地があり、そのエリアに私たちも入ることができるのです。
運がいいと、足もとまでフンボルトペンギンがやってきたりするんですよ!もーたまらん。

人間の出入りを狙って脱走を企てている猛者もいます。
またその姿がかわいらしいんですよね。

さて、そんな素敵な場所で、なんとナイトキャンプが開催されるそうです!
営巣地の近くにテントを張ってそこで寝られるそうですよ!すごいなあ。
事前の申し込みはが必要なので、興味のある方はぜひ申し込んでいってみてください。

詳細はこちら!→http://www.parks.or.jp/sczoo/event/index.html

開催日時:2012年11月3~4日
場所:埼玉県こども動物自然公園
料金:8000円