muto の紹介

ありをりある.com編集長。アウトドア系出版社を経て、ありをる企画制作所を設立。編集者・ライターとして活動中。気になる分野は歴史・伝統文化・仏教・いろんな国のいろんな考え方など。好きな食べ物はあんことなす。趣味は三線弾きと剣道。

2015年、新年のご挨拶。


greeting2015

 

あけましておめでとうございます!

2014年は、格別のお引き立ていただきまして、
誠にありがとうございました!

本HPも、早いもので3年目を迎えております。
始めたころには、誰も見てくれないんじゃないかと思っておりましたが、
おかげさまで、毎日見てくださる方もちょっとずつ増え、
最初の年から考えますと3倍の方が遊びに来てくれるようになりました。
本当に嬉しいです!!
本年も、地味ではありますが、一生懸命アップしていきたいと思っております。
どうか今年も覗きに来てくださいね。

編集のお仕事のほうも本日が仕事始めです。
ありがたいことに、フリーになって4年目に突入しました。
おかげさまでお仕事いただけるようになり、忙しい毎日を過ごすことができております。

今年も初心を忘れず、いただいたお仕事を丁寧に、心を込めて仕上げていきたいと、
改めて思っております。

本年もなにとぞ、引き続きのご愛顧、よろしく お願い申し上げます!

ありをりある.com 編集長    武藤郁子 拝

【若狭旅】②高浜町周辺、「馬頭観音」集中地帯へ


「おおい・高浜の秘仏めぐり」ツアーに参加できました~!
さて今回の旅は、順序で言いますと…

一日目、二日目⇒小浜市内のお寺さん
三日目⇒今回のメイン目的地、高浜町の「馬居寺」と「中山寺」

といった流れで計画しました。
小浜市内のお寺さんは、もう何度もお邪魔していますので、なんといっても今回のお目当ては三日目の二か寺。
しかし、この二か寺ともに駅からも離れていて、ちょっと自力で行くのはきついところにあります。

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こちらの地図は、観光協会でいただいたパンフレットの地図から一部拝借!

調べてみましたら、最寄り駅からレンタサイクルで15分くらいで行けそうなんですが、お天気崩れたらアウト。いろいろ考えて、今回は観光協会が主催するツアーに参加させていただくことにしました。このツアーに参加しますと、とてもレンタサイクルではとてもいけなさそうなお寺さん(長楽寺)にも行けちゃうし、お食事もついてる!一人旅にはもってこいです。

しかし、この「おおい・高浜の秘仏」ツアー、募集人数も少ないためか、私が気付いた時にはもう定員埋まってました。でも、ダメもとで、キャンセル待ちリストに名前を入れていただいたところ…。なんと! 出発の二日前にキャンセルが出たと連絡が入り、無事参加させていただけることになりました。

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(これ↑、このツアーです!!)

いや~、本当についてました!

これで、馬居寺さん、中山寺さんはもちろん、長楽寺さんにも行けることになりました。結果的に、これはもう大正解!!

というのも当日は大雨。もし一人だったら、タクシーをお願いするにしても、タクシーがつかまらないとか、雨宿りする場所がないとかで、泣きたい気持ちになっていたと思います。

馬頭観音像が集中している「丹後富士」こと「青葉山」周辺
さて、今回、「馬頭観音」さんということばを何度も使っておりますが、馬頭観音さんがよくある仏像かというと、違う、と言っていいと思います。

江戸時代以降になりますと、民間にも広く広がり、馬の守り神、蚕の守り神などなど、様々な形で信仰され、親しみ深い観音さんになりますが、江戸以前からご本尊として馬頭観音さんを祀っているところはそう多くないのです。

それなのに、今回たずねるお寺さん二か寺は、ご本尊が馬頭観音さんです。これは相当に珍しい。

そしてこの二か寺の共通点としては、「丹後富士」と呼ばれるお山、青葉山(あおばさん)近くにある、ということ。

また、今回は福井県ではないため特別開帳などしていなかったのでいきませんでしたが、青葉山南西麓(京都府サイド)に、松尾寺(まつのおじ)さんという、大きなお寺さんがありまして、こちらもご本尊は馬頭観音さんだ、と。

この三か寺、すべてご本尊が馬頭観音さん、…ってことは、めちゃくちゃ珍しい、ってことなんですね。おそらく、全国一の「馬頭観音さん集中地帯」といってもいいんじゃないでしょうか。

20141213-12さて、そんなこんなで、馬居寺さんにやってきました。ツアーとしては、長楽寺さん、おおい町郷土史料館を廻ってから、三番目の場所です。

もし、個人で行くなら、小浜線若狭和田駅をおりて、から約1.5キロ、徒歩で20分ほどみたい。いいお天気なら歩いていけますが、大雨の中ではちょっと無理、かな。

さて、いよいよご対面です!

写真では何度も拝見してますが、実物はどうなんでしょう!?

(続く)

ついに買ってしまいました!『歴史手帳2015』(吉川弘文館刊)


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数年前から、歴史ものの企画を担当させていただくこともあり、吉川弘文館さんの『歴史手帳』を買うかどうか、毎年迷っては、やめる、ということを繰りかえしてまいりました。というのも、これまでの歴史手帳は、わたしにはちょっと小さすぎて使いづらそうだったんですよね。

あまりにも充実した付録の数々は、あまりにも、あまりにも魅力的ではありますが、しかし普段使う手帳として考えますと、ちょっと二の足を踏んでいて、写真のようなトラベラーズノートブックシリーズを使ったりしておりました。

ところが、今年は、なんと60年ぶりの改定で、文庫サイズまで大きくなって登場したではありませんか~!!!

ううう、もうすでにトラベラーズノートの2015を買ってしまっていたので、本当に悩みましたが、……手に取ってみますと、わあ、もうやっぱりいいわ。買うしかないわ、と観念しました。

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(まずこの左ページの一寸二寸がセンチメートルとは微妙にずれてるところに、ハートを射抜かれますよね)

細かい話ですが、私が「おお!」となった付録は…
改定版の今年から新しく追加されたという「官職の唐名」「名数表」「異体字」など。これはもう理屈じゃなくみてるだけで楽しい。

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「近世宿駅一覧」「度量衡換算表」「国宝史蹟一覧」「官位相当表」「日本歴代表」なんかは、仕事でかなり使うことになると思います。これらはいつもはネットで検索したり、辞書でその都度確認したりしてるんですけど、手帳ですでにあるというのはいいな。外出時には絶対役に立つ……。

そして、やっぱり魅力的なのは、この週スケジュール表の右ページにある行事一覧ですよね。これは前からありますけど本当にすごい。
20141213-2楽しいなあ。

本当にこの手帳、楽しいですよ!

ここ数年使ってきたトラベラーズノートシリーズもシンプルでいいんですけどね。でも来年はこちらをメインに使うことにしようと思います。

この情報をもとに、旅の予定を立ててもいいなあ。ワクワク!

【若狭旅】①秘仏界の超有名仏像、馬居寺と中山寺の馬頭観音さんに会いたい


福井県、若狭の国エリアは関東から6時間かかります
8年ぶりに訪れた、福井県小浜市を中心としたエリア。昔風の言い方をすれば「若狭国(わかさのくに)」。

仏像の里としてあまりにも有名な場所ですが、関東在住の人間にとってはなかなか足が伸ばせないエリアともいえると思います。

理由は、……シンプルに、遠い!!

若狭のあたりというのは…
20141213-2ここです!

関東からいくとなると、東海道新幹線で米原へ、そこで北陸本線に乗り換えて、敦賀で小浜線に乗り換えて、ようやく到着。そんなかんじです。電車の本数が少ないということもあり、結局6時間弱かかります。

なかなかな時間ですよ。ほんと。
いきたくても、ちゃんと時間をとれないといけない場所ですよね。

今回は三泊四日、時間をとりました。
けっこう強引にとりました!

それはなぜかと言いますと、この、「特別開帳」に行きたかったからなのです!

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馬頭観音像界の超有名人(仏?)、中山寺と馬居寺の秘仏二体が!
毎年、福井県が行っている秋の特別ご開帳ですが、今回の目玉は、なんといってもこのチラシにあります二体の仏像です。こうしてチラシに知れっと掲載されていますと、なんとなくシレッとしてしまいますけど、実際にはシレッとしている場合じゃない仏像なんです。

右のお像は、中山寺(なかやまじ)さんの御本尊で33年と、17年に一度のご開帳、
左のお像は、馬居寺(まごじ)さんの御本尊で、25年と、12年に一度の午年にご開帳、
という拝観者にとってものすごくハードルの高い秘仏なのです。それが一気に同じ時期にみられちゃうっていうんですから、そりゃもう、浮足立っちゃうような話なわけです!

両尊ともに、「馬頭観世音菩薩(ばとうかんぜおんぼさつ)」という、いわゆる「観音(かんのん)」さんです。

「え?菩薩なのに、こんな怖そうな顔なの?」

と思われる方も多いかもしれませんが、馬頭観音さんは、このようなこわいお顔で表わされるのです。

『日本仏像事典』真鍋俊照編(吉川弘文館)を見てみますと…、

「慈悲を本誓とする菩薩であるにもかかわらず、この観音像に限って常に恐ろし気な忿怒相に表現され頭上に白馬の首をつけている。もちろんこの忿怒形はあらゆる魔障を消滅するための方便で、いわゆる衆生の六道四生といわれる生死すべての苦しみを断つことを内容とするものである。(中略)」

とあります。

また、この馬頭さんは、かなり時代は下りまして江戸時代以降は特に、ですけども、馬の守り神としてもとても人気があります。江戸時代の石仏の中にはこの馬頭観音さんがよくありますね。

しかし、この若狭のあたり、特に上のチラシにある二尊があるエリアは、そんな風にポピュラーな存在になる、もっと前、飛鳥時代くらいから始まる信仰の場所。少なくとも平安後期には「馬頭観音信仰」があったようで、「青葉山」という小高い山の周辺には、馬頭観音さんを本尊とするお寺が集中しているのです。

(つづく)

file.82 源六餅本舗の「源六餅」


いちにちいちあんこ

年末進行の大波にあおられて、予想以上に(いえ、予想通りか…><)余裕のない日々が続いています。皆さんはいかがお過ごしでしょうか。

さて、いちにちいちあんこも着実にこなしておりますが、アップすることができないまま時が過ぎ…。もうすでに懐かしい記憶になりつつある、今月初めのころの「若狭旅」で食べたいちあんこを今日はご紹介したいと思います。

今回の若狭旅は、若狭高浜駅という駅の近くのホテルに一泊しました。

初めて降りる駅で、まず欠かせないのは「あんこチェック」です。ネットで口コミを見たりして、この土地の「名物」と呼ばれるような伝統菓子はないか、を探すのですね。
今回、若狭高浜駅を降りるにあたってぜったい外せないと思ったのがこの「源六餅」です。これだけは絶対食べるぞおと心に決めてました。

でも、ですね。

高浜駅で降りたときにはもう18時を超えてました。辺りは真っ暗。ちょっと怖い。一人旅の時は、さすがに気になりますね。慣れない土地で一応女一人だし、できるだけ危ない目に遭いたくない…。荷物も重いし、かなり迷いましたが、しかしいかなかったらもう一生食べられないかもしれない!と思うとやっぱりどうにか行きたくなりますよね。

歩いて10分ぐらいだというし、ここは行っときますか!

旅行バックをごろごろいわせながら、たどり着きましたよ。源六餅!

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おおおお、よかった~!

やってました~~~!!

真っ暗な夜道に浮かび上がる看板が、救いの神のようです。

何しろ旅の途中で、日持ちもしない和菓子ですので、あまりたくさんは買えません。本当はがっつり買いたいけど…。5個入りのを買いました。

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ここからホテルまで、さらに15分ほど違う方角へ歩きます。

ホテルまで遠く感じました。初めての町を、一人で歩くのに真っ暗な市街地ってのはよくありませんね。知ってる町なら様子がわかりますけど、なんか妙に怖い。

日本だから無事でしたけど、普通はあり得ないですよね。いやはや。

さて、気を取り直して、とりあえず熱いお茶を入れて、食後のデザートにいただきますよ~!

anko20141115-2中には3色の柔らかいお餅が入っています。

このお餅、本当にほわほわ。福井県には羽二重餅という柔らかいお餅がありますが、あんな感じですね。求肥みたいホワホワ感。

緑色はヨモギ、茶色はニッキ、ピンク色はプレーンって感じですね。

さて割ってみますと!

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中にはこしあんが入っていますよ~!

これ、割るのがすごいたいへんでした!というのも皮がとにかくやわらかくて、あんことほぼ一体化しちゃうんですよ!

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これ、ニッキのほうも割ってみたんですけど、こんな感じ!

お餅が柔らかすぎて、ちょっと伸ばすとあんこと渾然一体となる、そんな感じです。

お味のほうは、あんこは上品なこし餡と思います。しかし、お餅の皮のほうにも少し甘さがあるのかもしれません。全体的にはかなりしっかりと甘いお餅になっていました。

とにかく食感がフワフワ、っていうかトロトロ。言い方あってるかわかりませんけど、つるつると噛まずに喉に入って行っちゃったよ!みたいな感じです。

疲れた体には本当にしみました。

結局、つるつるはいっちゃうわあ、と言いながら3個あっという間にたいらげててしまいましたよ。

そして、残りの二個は、翌日のおやつにいただいたのでした♪

美味しかったです!

源六餅本舗
http://tabelog.com/fukui/A1803/A180303/18000633/

 

file.81 木屋傳の「ふくさ」


いちにちいちあんこ

若狭国(わかさのくに)にいってまいりました~!!

若狭とは、ざっくり言って福井県の西半分(嶺南というそうです)。ちなみに東半分(嶺北)は昔越前国(えちぜんのくに)と呼ばれていましたので、文化も言葉もかなり違います。

若狭は、ちょっと京都っぽい。言葉も京都弁に通じるものを感じますが、嶺北のほうはちょっと東北っぽい感じです。

私はどちらの福井も大好きで、これまで何度か一人旅をしています。
今回は、5回目。一人旅では3回目です。しかしながら、今回は8年ほど間が空いてまして、ちょっとタイムラグは否めません。実際いろいろ廻ってみて、結構いろいろ変わってましたね。そのあたりのお話はまた、「ブツタビ」にてご報告することにしまして…。
まずはあんこのお話から!
anko20141116-1(久しぶりの小浜駅!)

さて、今回は小浜市内に一泊、若狭高浜に一泊、最終日は若狭から出て、滋賀県高月に一泊してきました。

まずは初日。
小浜についたら絶対食べたいと思っていたのが、「木屋傳」さんの、酒まんじゅう!これまでも、結構売切れてることが多かったですけど、二回食べてます(二勝二敗;;)。

anko20141116-2こちらは、酒まんじゅうのほかに、小浜名物くずまんじゅうも有名。しかし残念なから今の季節はやってないんですよね。夏限定なんです。

始発に乗って、約7時間かけて、どうにかこうにか小浜駅についたのが11:46。木屋傳さんには多分12時半くらいに入ったんですけど、残念ながら酒饅頭は売り切れ><。

残念ですけど、でも何か食べたい!
ということで、黄色がきれいな「ふくさ」を購入。

初日は、とにかく風も強いし無理をしないで、羽賀寺さんに行くだけでやめとこう、と決めたました。ですので、このお菓子たちは、羽賀寺さんに拝観してからのお楽しみです。

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こちらが「ふくさ」。
金沢のお菓子に「ふくさ餅」という同じようなお菓子がありますが、それと同じかな?

袱紗(ふくさ)包みのように、焼いた生地であんこをくるむので、ふくさというらしいのですが…

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包んでるというよりははさんでますね。
anko20141116-4あ、なるほど!

一枚の大きな焼き生地に、粒あんを塗って、それを4等分に畳んでるって感じなんですね!

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生地は、この気泡が美しいですね。

黄色は秋の色なのかな。

あんこは、粒あんです。ふっくらとしていて、かなりちゃんと甘いあんこ。生地はどら焼きの生地を軽くしたような感じ。

酒饅頭を買えなかったのは痛かったけど、でも、移動で疲れた体にこの「ふくさ」はベストマッチでした。二個買えばよかったなあ。

それにしても、やっぱりちょっと残念。次回来たときはどうにか酒まんじゅう買いたいなあ。

木屋傳
http://www2.plala.or.jp/kiyaden/

file.80 ひいらぎの「たいやき」


いちにちいちあんこ

学生時代の友人と久しぶりに会うために、恵比寿へと足をのばしました。ちょっと早めについて、小腹がすいてしまい、カフェに入ってケーキでも食べちゃおっかな~と思いながら、ふと思い出しました。

恵比寿には「ひいらぎ」さんがあることを!

お店としては新しいですよね。でも、都内の鯛焼きのお店としてではもはや名店の一つと言っていいんじゃないでしょうか。

鯛焼きというと、今は本当にいろんなタイプのものがありますよね。生地自体も、卵の黄身が多めでふっくらとあつめのもの、薄くかりっとしたもの、最近ではさらに発展して真っ白かったり、デニッシュ生地もあります。

中に入れる餡も、粒あんが基本ですが、カスタードクリームとか、食事系のチーズとハムなんてのもあったりする。実に多種多様ですね。

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さて、こちらがひいらぎさん!
恵比寿駅から歩いて5分かからない場所です。今日は並んでないな、よしよし。

こちらのひいらぎさんは、HPで拝見したら、大元は関西のお店なんですね。姫路市にある「遊示堂」さんの支店みたいですね。
anko20141030-2「たいやき」。早速一個購入!

ちょっと焼いているところを覗き見ると、いわゆる一本焼きではなく、複数焼き上げるタイプみたいです。
そしてこちらでは、この「たいやき」一種のみ。こだわりの一本!

anko20141030-3接合部分全体的にがあんこはみ出てますよ~!
すごいなあ。
このはみ出した部分もちょっと香ばしい感じがします。

anko20141030-4早く食べたい!という気持ちを抑えて写真のために真中を割ります!

ご覧のように皮は薄いタイプ、とにかく端から端まであんこの嵐ですから、あんこそのものを堪能する、という感じ。

皮は少し軽めのテイスト、カリッとした食感がいつまでも楽しめます。

表現が正しいかわかりませんが、遠くに炭酸せんべいのテンションが感じられるというか…。よく考えたら、ひいらぎさんの母体の鯛焼きやさんも姫路市だし、同じ兵庫県の出身(?)なので、何か味の方向性としてつながるものがあるのかもしれませんね。

HP拝見しますと、「30分以上かけて焼き上げる」とあります。弱火でじっくり焼き上げていくんだろうなあ。だからこの皮のかりっとした感じがいつまでも保たれるのかもしれません。

そして、粒あん!美味しい~!
甘さは程よいかんじ。豆はふっくらと丁寧に炊かれていて、小豆のいい風味が立っています。そしてちゃんと甘いです。でもこの甘さが、結構な量の餡を最後まで食べさせるための、ギリギリの甘味なんじゃないかとも思います。これ以上甘いと、ちょっとこのあんこの量は多すぎると感じるだろうし、甘さを控えると、今度はもったりと飽きてくるかもしれない。絶妙な塩梅ですね。

こちらの「たいやき」は、手土産にされる方も多いみたいですが、ちょっとわかる気がします。お値段はすごくお手頃だし、丁寧に作られているのがよくわかるお味です。なんといっても、程よい甘さのあんこは、あんこが苦手、という方以外にはまず間違いなく「美味しいね」と言ってもらえるんじゃないでしょうか。

オフィスの女子への差し入れに、本当にお勧めな逸品ですよ~!

ひいらぎ

http://www.taiyakihiiragi.com/

福井県「平成26年度みほとけの里 若狭の秘仏特別公開」がすごい!


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若狭の国こと福井県小浜市周辺は、仏像好きにはたまらないエリアです。
私も大好きで、一人旅で2回、友人と2回、計4回プライベートで訪れています。
#写真は前回たずねたときの羽賀寺さん。なんと8年前の写真でした。

でも、このエリアで特に有名な秘仏で、高浜町にある中山寺さんと馬居寺さんというお寺の馬頭観音さんは、写真で見る限りぜひとも生で拝観したい素晴らしいお像ですが、まだ一度も拝観できていません。

中山寺さんは33年に一度(17年に一度中開帳)、馬居寺さんは25年と午年に開帳と、かなり限られたご開帳のため、相当にハードルの高い秘仏なのです。

それがなんと、この秋、特別開帳しているというではありませんか!!
気が付いたのがちょっと遅いですけど、11月24日まで土日のみではありますが、ご開帳、とあります!これは行きたい!

福井県「平成26年度みほとけの里 若狭の秘仏特別公開」(詳細は以下↓)
http://www.pref.fukui.lg.jp/doc/bunshin/wakasa-hibutsu-26.html

とはいえ、関東から、福井県小浜市のあたりまで行くのは、かなりの気合が必要です。片道約7時間かかりますからね。

今回もどうしようどうしよう…と悩んでおりましたが、やはり、死ぬまでに一度は拝観しないと死んでも死に切れん!
……と思い切って、二泊三日か三泊四日で若狭に行くことを決意しました。

8年ぶりの福井県です。いやあ、楽しみです!!

file.79  香住売店の「天狗焼き」


いちにちいちあんこ

友人Sちゃんと高尾に山歩きに行ってきました。

高尾山は、新宿駅から約一時間でいけますし、都内の皆さんはもちろん、最近では外国人観光客の方に大人気の登山スポットですね。

高尾山は、ケーブルカーもありますから、街歩きの延長線的な装備で行くこともできますし、ちゃんと山歩きしたい人にも十分楽しめる、強弱を自由自在にできる、という点もいいところですよね。

また、お寺好き、仏像好きにとってもこちらはたまらないと思います。

なんと言ってもこちらには、現在も修験修行が盛んな薬王院さんがあります。こちらのご本尊は「飯綱大権現(いいづなだいごんげん)」さんです。

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薬王院さんはその名の通り、もともとは薬師如来さんがご本尊さんだったそうですが、14C頃の中興の祖・俊源という人が、修行の末、飯綱大権現さんを感得して以来、ご本尊は飯綱大権現さんとなったとのこと。

飯綱さんは、神仏習合の仏さんで、もともとは長野の飯綱の仏さんですが、修験の中でも強力な呪力を持つ仏さんということで、信仰されました。

そのお姿は、羽があり、鳥のような顔をし、手にはけん索と剣を持った姿で表わされます。そして狐の上に載っているのですが、何も知らない人が見たら「天狗さんだ!」というと思います。でもちょっと違う。不動明王のような、迦楼羅神将のような、ダキニ天のような、あくまでも仏教上のいろんな方々を合体させたようなお姿、といった感じです。

「天狗」さんというのは、この飯綱さんの眷属(おつき、お使い)なんですね。すごくざっくりと言ってしまえば、天狗さんは山伏の格好をしています。

そんなわけで、高尾は、この天狗さんがシンボルです。あらゆるところで、天狗さんの銅像や天狗さんのマークが出てきます。

そんなわけで、ここで、本日のいちあんこでございます!

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はい、出ました~!

天狗さん~!!
(葉っぱのスタイリングはSちゃんがやってくれましたよ)

こちらは、ケーブルカー山上駅のすぐ前の売店・香住売店で販売している、「天狗焼き」。

言うまでもありませんが、そうです。天狗さんの型で焼かれた今川焼のようなお菓子です。でも、いわゆる今川焼とは違うのですよ。
anko20141027-5うふ。

ものすごく可愛いですよね!?

キリッとした眉、ぐっと噛みしぼった嘴。だけどどこまで行っても丸っとしたフォルムで、ちょっとコミカルな感じです。

「う、う、うまひ…!」

写真を撮っている私の横で、早速食べ始めていたSちゃんが、そういって絶句しました。

Sちゃんは、放送系ディレクターで、食材の番組なんかもたくさん手がけている口の肥えたお方。私のようなあんこ大好き、というわけでもないので、私がこれは美味しいから食べたほうがいいんだよう!と何度も何度も言うので、それにつきあって一つ食べてみよか、みたいな感じで、購入してくれてたような…。

「ね?ね? うまかろう~!」

私が得意がってもしょうがないのですが、私、得意顔。

私も、初めてこちらの天狗焼きを食べたとき、かなり驚いたのです。皮が、今川焼とはまたちょっと違って、表面はカリッとして中はふわっとしてます。そして軽い感じなのです。

そして何より…

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あんこが、黒豆のあんこなのです~!!!

大きな黒豆が柔らかくふんわりと炊かれていて、甘さも控えめで黒豆の味がダイレクトにきます。小豆のような濃い味ではなく、もっとあっさりとしてますので、パクパク食べられてしまうのです。軽いテイストのカリフワの皮と相まって何とも言えない絶妙なバランスです。

普段は私よりもゆったりと食事をするSちゃんですが、びっくりするような速さで完食。見事な食べっぷりです。

うふふ。

私は、幸せそうなSちゃんの笑顔を見てすっかり嬉しい気持ちになったのでした。

皆さんもぜひ高尾さんに言ったら食べてみてくださいね!

お土産として持って帰ることもできますが、あのお山の上でいただくのがまたひときわ乙でございますよ。

香住売店
http://www.takaotozan.co.jp/miyage/

「疾風に折れぬ花あり」(中村彰彦著)第14回「陣馬街道 その二」掲載!


武田信玄の末娘・松姫さんこと、現在出家して信松尼(しんしょうに)さんが主役を務める「疾風に折れぬ花あり」。

前号で、信松尼さんを経済的に援助してくれていた北条氏照(うじてる)が城主を務める八王子城が、落城。殲滅、つまり皆殺しにされてしまいました。

そして、今号ではいよいよ、本拠地小田原城は、あまりに巨大な秀吉軍によって包囲されて、当主・氏直は降伏、北条家は滅亡してしまいます。
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武田家のお姫様であった信松尼さんにとって、北条家は縁戚であり、また、八王子に移ってからは、経済援助をしてくれた大切な人たちでした。

それが、あっけなく滅亡してしまった……。心情的悲しさだけでなく、現実的な危機でもあります。今や援助の道は絶たれてしまいました。幼い姪たち3人だけでなく、彼女たちを慕って仕えている家臣たちを養わなくてはならないのです。

いよいよ「自立」の道を確立しなければならなくなったわけです。そこで、信松尼さんが思いついたのは「機織り」でした。つまり養蚕、絹を生産すること、です。

古代から、信松尼さんが住む八王子がある武蔵国(今の東京都・埼玉県一帯)や上野国(群馬県)は、絹の名産地でした。そのため、彼女がそういう風に思いついたのはとても自然なことでした。

今でも上州(群馬県)名物として、「かかあ天下とからっ風」なんて言います。

これは、上州の女性は働き者で強いということなんですけど、女性が養蚕をしていたので、女性のほうが収入が大きくあったことで、経済的自立をしていたので、強いというわけなんですね。

そして、この「養蚕」ですが、これまた古来より女性の仕事と考えられていました。

蚕を育て、糸をとり、機を織る、という仕事は、手先の細やかな女性のほうが向いていたのかもしれませんね。この大変な作業の果てに生み出される「絹」は大変高価なもので、これを生み出すことができるというのは、相当な経済力を持っているということ。家庭内でも大きな権力になったろうと思います。

そんなわけで、目の付け所はすごくよさそうなんですが、果たしてうまくいくのか否か…。

歴史小説、というとらえ方でなく、現代に引き寄せてみると、信松尼さんはまさにベンチャー起業家ともいえるかもしれませんね。

詳しくはぜひ本誌をご覧くださいませ!

(むとう)