muto の紹介

ありをりある.com編集長。アウトドア系出版社を経て、ありをる企画制作所を設立。編集者・ライターとして活動中。気になる分野は歴史・伝統文化・仏教・いろんな国のいろんな考え方など。好きな食べ物はあんことなす。趣味は三線弾きと剣道。

「生きている、それだけで奇蹟」。――命・心・魂の問題を問い続けてきた著者、渾身の講演集!『自分という奇蹟』/五木寛之著


五木寛之先生の新刊をお手伝いさせていただきました!!N編集長、いつもありがとうございます~!

五木先生のご本は、『私訳 歎異鈔』を文庫化するときに一部お手伝いさせていただいたことがあるのですが、書下ろし〔語りおろし〕で初出で…という形のご本を担当させていただいたのは、今回が初めてです。

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今回のご本は贅沢にも「いきなり文庫」にて登場!

通常、単行本にしてから文庫に、ということが多い中で、いきなり文庫での刊行は、五木先生とN編集長の御英断の賜物でしょう。
文庫は、単行本と比べて価格も半分以下。読者にとってはとても手に入れやすい形態ですから。お値段もお手頃にして、ぜひとも多くの方に手にとっていただきたい、そんな思いがこもっていると思います。

本書は、講演で語られたことを文章に起こして、さらに再編集したものですので、先生の柔らかい語り口を感じながら読んでいただくことができ、かなり読みやすいかと思います。

先生は、講演の名手としても知られますが、本書には「なるほど」とうなづいてしまうような言葉やエピソードの数々がちりばめられています。
特に本書で重ねておっしゃっているのが、「光と影のうちの『影』の部分~悲しみや不安、絶望、涙~を、人として、もっと自然に取り戻してもいいのではないか」といったこと。
「日本人は古来、よく泣く民族だった」というエピソードや、昭和初期まで文豪たちが好んで使っていた「暗愁(あんしゅう)」という言葉を例にあげながら優しく説いておられます。

そして、さすが、そこからがまた五木先生ならではなのですが、

「平凡に生きる人も、失敗を重ねて生きている人も、世間の偏見に包まれて生きる人も、生きていることにまず価値があり、どのように生きていたかなどは二番目三番目に考えていいことなのではないでしょうか」

と、存在を全肯定する言葉を紡がれます。
これまでの先生の波乱万丈な人生を想像するに、この結論に至った先生のご心境と言うのは、計り知れない奥深さがある、と思うのです。

もし、生きていることに漠然とした不安を感じている、自分は価値のある人間なのだろうか……そんなことを少しでも思うことがあったなら、本書を手に取ってみていただきたいと思います。

先生は、ひとつに決めつけるようなことは決してされません。
ですから柔らかく、包み込むように(……時にその優しい言葉が、グサッと鋭く胸に刺さって取れないような気がしてくることもありますが)、読み手の存在をそのまま受け止めてくれるような、そんな大きな一冊になっているのではないかと思います。

ぜひ、お手に取ってみてください!!
(むとう)

file.97 茂助だんごの『どら焼き』と『とら焼き』


いちにちいちあんこ

分かってはいたものの、先週からかなり厳しいスケジュールになっています。9月刊行の担当本が2冊あり、しかもそのうちの一冊が締め切りをあまり気になさらないタイプの先生なため、まあ、こうなるよね、という感じではあるのですが…

しかし、ひたすら家にこもって作業、駆け足で豊洲のP社さんへとダッシュ、な日々を繰り返しておりますと、なかなか素敵なあんこものに出会えません。

そこで、ちょっとだけ時間があるときに期待を込めて訪れたのが、豊洲駅前にあるスーパー。ちょっと高級な感じのスーパーで、意外な逸品を普通に売ってるお店なのです。

ないかな~、と探していると…

あ~!あった~~!

なんと茂助だんごがおいてありますよ~~!!

すごい、百貨店とかの出張販売は見ますけど、セルフでとるっていうスタイルは初めて見ますよ。

茂助だんごさんと言えば、築地の名店ですから、豊洲は結構近いですもんね。それも関係あるのかもしれませんね。

鉄板のお団子をいただきたいと思ったのですが、なんと言ってもこれからお仕事先へ向かいますので、ちょっとそれは持ち歩くのには向いてないな、と思い個別包装してあったどら焼きととら焼きを買ってみました。

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左が「とら焼き」で、あんこは白あん。右は「どら焼き」で小豆あんです。

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いいですね~。コロンとしたたたずまい。

大きさはちょっと小ぶり、かな。でも150円という値段を考えたら決して小さくないですよね。

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割ってみるとこんな感じです。

あんこは、お団子のあんことはちょっと違う気がしました。どら焼き用のあんこなのかな。とはいえ、ふっくらとみずみずしくて美味しいあんこです。

どら焼きの皮は、けっこう膨らんでる系ですね。大柄で素朴な感じ。ケーキドーナツ系とでも申しましょうか……

食べ終わって思いました。
小ぶりだな、と思ったのは気のせいでした^^;

しっかりとあんこも入ってますし、皮もしっかりしているので、かなり腹持ちいですよ。

実は写真を撮るの忘れてしまったんですけど、「とら焼き」の白あんがすごい美味しかった!どちらか一つ、と言われたら「とら焼き」がお勧めですね!!

ひさしぶりに本店のほうにもいってみたいなあ。築地もご無沙汰しちゃってます。

茂助だんご
http://www.fukumo.jp/index.html

「疾風に折れぬ花あり」(中村彰彦著)第23回「はるか江戸を離れて」掲載!


ご紹介が遅くなってしまっておりますが、毎月PHP研究所さんで発刊されている文芸雑誌『文蔵』では、中村彰彦先生の「疾風に折れぬ花あり」が絶賛連載中です。

最新号(8月号)が発売になっておりますので、7月号も併せてご紹介させてください。

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7月号「祈る女」では、亡き兄・仁科盛信の忘れ形見で、養い姫の一人であった生弌尼(しょういちに)を看取った、信松尼(しんしょうに)。

ここに武田信玄の直系のうちの一人が、はかなくも夭折してしまったのですが、一方で物語は大きく動きます。

江戸城内の比丘尼屋敷に住まう、信松尼の異母姉で、信玄の次女、そして穴山梅雪の未亡人である見性院(けんしょういん)が、二代将軍の乳母・大うば様を通じて知り合った奥女中『お静』さんが、いよいよ7月号で登場しました。

この『お静』さん、中村先生ファンなら「あ!ついに!」と膝を叩くことと思います。

中村先生が、世に広めた「会津武士」の生きざまを凝縮したかのような人物で、会津の崇高な精神の源となった、会津松平家の始祖、保科正之(ほしなまさゆき)公の生涯をえがいた大作『名君の碑』の世界が、いよいよ再び戻ってきました~!

このお静さんは、もともと小田原北条家の家臣だった神尾(かんのお)家の娘で、縁あって秀忠の乳母であり、大奥の実力者である大うば様に仕えることになりました。

そこで、恐妻家の秀忠に見初められ、正室・お江与(えよ)の方の許しがないまま、秀忠の側室になりました。

意外と思われるかもしれませんが、当時、戦国時代の気風がまだ色濃く漂うこの時代、妻を複数持つことは許されていましたが、正室の許可、というか、正室が勧めた女性を側室にむかえる、という形式をとることになっていました。

ですから、いくらお江与の方の性格が苛烈で、秀忠が恐妻家とはいえ、内密に側室を迎えてしまうというのは、やはり正室をないがしろにした行為です。

そして案の定ばれてしまい、なおかつ妊娠も発覚してしまうと、お静さんは何度も毒物で殺されそうになりまして、恐ろしくなって実家に逃げ帰ります。

そこで、お江与の方の復讐を恐れた実家の兄たちの決断により、子を堕胎させられてしまうのですが…。

8月号では、堕胎薬によってぼろぼろになってしまったお静さんを、それでも戻ってくるようにと説得する、秀忠からの使者がやってきます。

さあ、お静さん、どうする!??
戻るの?戻らないの~!!???

……と、ハラハラドキドキな展開になっております。

保科正之公に詳しい皆さんは、この後の展開を良くご存じと思いますし、保科正之公という綺羅星の如く優秀な人物が誕生した、という一事を持って考えてみましたら、仕方ないけどなあ、と思います。しかししかし。

同じ女性としてみると、どうもこの秀忠という人物は、信用なりません。
いくら正室がこわいからと言っても、一番力を持つ立場なわけですから、やる気になったらもっと守れるはずなのに、なんか逃げてるようにしか思えない。

やめときなはれ、戻らないほうがいい!!!
この男、真心を感じないダメなやつだよ!

……と、お原稿拝読しながら、思わず叫んでしまいました。

ちょっと感情移入しすぎましたね(笑)。
それはともかく、これからの展開はいよいよ目が離せませんよ~~!

ぜひお手に取ってみてくださいね!

(むとう)

あまりにもすごい白鳳仏ラインナップ。必見です!!『白鳳』展@奈良国立博物館(7/18-9/23)


「白鳳(はくほう)」と聞いて、何のこと?と思われる人もいらっしゃるかもしれません。

奈良博さんHPによりますと、「白鳳は7世紀の半ばから710年に平城京に遷都するまでの間の文化や時代を指す言葉として、美術史学を中心に用いられてきました」とあります。

国史大辞典によりますと、もともと「奈良時代の公年号『白雉』(650-654)の異称」とのことなのですが、650年から平城京に都を移すまでの間、つまり大化の改新後即位した孝徳帝、斉明帝、天智帝、天武帝、持統帝、元明帝、元正帝が遷都するまでの期間の文物全般の様式を示す時などに、好んで用いられる名称なんですね。

特に仏像好きの世界で「白鳳」といえば、「そう、あれ!!」と即座に答えが返ってくる、非常に特徴的で美しい表現の仏像が造られた時代なのです。

白鳳仏といえば、2013年に東京藝術大学美術館で開催された「仏頭展」も、それを意識した展示になっていました。関東が誇る白鳳仏・深大寺さんの「釈迦如来倚像(しゃかにょらいきぞう)」も一緒に展示されてたりしてね。

仏頭展の主役、「興福寺仏頭」も、以前は「旧山田寺仏頭」とも呼ばれていましたが、もともとは山田寺と言う蘇我氏ゆかりのお寺さんにあったお像で、天武帝の頃の造像ですから「白鳳仏」です。「白鳳仏」の代表的なお顔、と言ったらあのお顔、ってくらいのびやかで美しく、また若々しいお顔が特徴的ですね。

さてさて、また前置き長いですね。
そんな白鳳仏を一度に観られてしまうという、奈良博さんならではの展示が7月18日から開催されています!

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出品物一覧を拝見してますと、関東からは深大寺さんはやっぱり行きますね、あ、あと千葉の龍角寺さんも!
有名どころはだいたい拝見したことがあるのですが、鳥取など遠くの県のお像は拝見したことがないものもたくさんあります。こりゃまた垂涎!
有名どころと言っても、何度拝観してもまた会いたくなるお像ばかりです。大好きな薬師寺さんの聖観音さんに、お外で会えちゃうなんてなああ。うふうふ。

それから、ちょっとマニアックかもしれませんが、個人的には川原寺裏山から出土したという塼仏(せんぶつ)が出ていることに気付き、静かにコーフン!
以前写真で拝見してすごく美しくて、ぜひ一度拝見してみたいと思っていたんです。嬉しいなあ。

そんなわけでして、これは奈良へといかなくてはなりません!
8月の奈良は、死にそうなほど暑いので、ちょっと二の足を踏みますが、どうにか時間を作っていきたいと思います!
皆さんもぜひ足を運んでくださいね~!

奈良国立博物館
http://www.narahaku.go.jp/exhibition/2015toku/hakuhou/hakuhou_index.html

3日間限定「ホタルナイト」開催。ヘイケボタルが見られます!@埼玉県立こども動物自然公園(7/18-/20)


最近、蛍がみられるという場所が増えましたよね。

高度成長期に幼少時代を送った身としましては、子ども時代、蛍なんて超清流にいるもので、埼玉の住宅地なんかじゃ到底拝めない貴重な虫だと思っておりましたら、なんと!

埼玉県立こども動物自然公園で、ヘイケボタルがみられる、と言うではないですか~!

知らなかった~!!!

hotarunight2015

こちらの動物園は、猛獣などはいないし、どちらかと言うとじみ目な動物園かもしれませんが、私は大好きです!

子どものころから行き馴れてるということもありますが、丁寧に運営してるなあ、といつも感心するんですよね。園内も清潔で広々としてますし、動物たちものびのびしているように感じます。コアラやカンガルーなど、有袋類を身近に観られるというのも魅力ですし。

それにしても、蛍がみられるなんて知らなかった。

確かに広い園内に、沢がありましてそこにいると言われればなるほど、という感じなんですが、それにしても私が子供の頃には考えられないくらい、環境が良くなったってことなのかなあと。

そんなわけで、蛍を見たことがないという皆様!

池袋から電車で52分!
けっこうあっという間ですよ♪

ぜひ、足をのばしてみてくださいね~!

埼玉県立こども動物自然公園「ホタルナイト」
PM5:00-9:00開園
7/18-7/20

 

特集「心と体に効く厳選12瀑 『滝』は絶景」@『サライ8月号』(小学館)掲載


就職して以来、ずっと書籍畑でお仕事してきましたので、雑誌にはいまいち疎いワタクシです。しかしそんな私にも、憧れの雑誌と言うのはございまして…。

週刊誌やファッション誌などは流行を把握するために読む、という感じなのですが、文化・芸術系の雑誌は、憧れの別世界、と言った趣でよく購入しておりました。
そういった雑誌も数多くありますが、その中でもエポックメイカーともいうべき、『芸術新潮』、平凡社さんの『太陽』、そして、小学館さんの『サライ』は別格。

今は、歴史や仏教に関係する書籍など担当させていただくことが多いので、仕事の合間に手に取って深呼吸しつつ勉強する、みたいな感じで親しんでまいりましたが…

それがですね!
なんと、そんな憧れの雑誌『サライ』さんで、お仕事させていただくという幸運に恵まれました。本当に嬉しいです!

20150710-1私が担当させていただいたのが、この↑『滝』の特集です。

取材・執筆(一部除く)を、一本ざっくりやらせていただいちゃいました~!
発注してくださったN副編集長、ありがとうございます!

振っていただいたテーマは、大好きな「滝」。
お写真は『日本の滝』(山と溪谷社)という大著を始め、数多くの滝本を出版され、滝のお写真で高名な北中康文さんです。
取材も本当に楽しく、また文章のほうも楽しく書かせていただきました。

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ご紹介した滝も、一筋縄では参りません。
Nさんが『心と体に効く』というテーマで厳選してくださってますので、かなり角度のある滝のご紹介になっていると思います。

そして、なんと言っても、北中さんのお写真が美しい!
この美しい写真を眺めていただくだけでも、浄化されていくかんじがしてくると思います。

そして、さすがサライさん!と思いますのが、その印刷表現です。ほんとに美しいです。北中さんのお写真を十分に表現されています。さすがNさん~~!

これから、夏ということで、涼を求めて滝を観に行くなんて、最高に楽しいですよね!参考にしていただけたら嬉しいです。
また、第一特集の「花火」も、「ごちそう列車の旅」もめちゃくちゃ面白いです。いいな、いいなあ。ホント、旅に出たくなっちゃいますね。
ぜひお手に取ってみてくださいまし~!

そして、改めまして、お仕事振ってくださいましたN副編集長、またNさんと出会わせてくださいましたK社のU先輩、そして、アドバイスいただきました古巣Y社の元ボスKさん、また取材にご協力いただきました皆様に篤く御礼申し上げます。
ありがとうございました!ぜひ、今後ともよろしくお願い申し上げます!!

(むとう)

file.96  さゝまの「松葉最中」


いちにちいちあんこ

東京の和菓子屋さんの中でも、名店と名高い「さゝま」さん。

最近、神保町を訪れる機会が多くなってきて、仕事が終わってふと「そういえばまだご紹介していないな」と思い立ち、立ち寄りました。

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いいですよね!この佇まい!
すずらん通りからすぐの大通りに面しているんですが、このお店の周りだけ空気が違うような感じがします。

美しい上生菓子をいくつか…とも思いましたが、これからまだ仕事で回らなくてはいけないので、無難に「松葉最中」に決定。

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自宅用ですので、袋に入れていただきました。

ワクワクドキドキ。
食べたいがために、いつもよりちょっと急いで帰宅しちゃいましたよ。

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三人家族ですので6個買いました!
一人2個ずつ。私ったら親孝行ものだわああ。

もっと買ってもいいんじゃない?と思われた方。
いえ、こちらはその日のうちに食べられる分しか買わないほうがいいのです。

ご覧のようにパッケージが昔ながらですから、翌日では皮がしなしなになってしまいます。一番いいのは、その場でぱくっといくことかもしれません。

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はい、「松葉最中」で~す!!!!!!!

美しい、この佇まい!

小ぶりに見えますが、この一個の十分な食べ応えと言ったら、ね。
本当に名品ですよ。

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あんこはこしあんです。

よく練り上げられているからか、ねっとりと重みのあるこしあん。食べた瞬間はどん!とおしてきますが、その後はサラサラサラと風味を残してつつ、ほどけてしまいます。

そして、この皮がまた美味しい。さくっと軽い。
そして、このサクッとした食感と香ばしい香りを十分に漂わせますが、全体としてあんこを際立たせる役割に徹しています。

絶妙!!!

それにしても、美味しいものと言うのは日持ちしないですよね~。

パウンドケーキやなんかは一日とか何日か置いたほうがいいものもありますが、和菓子の場合、そのほとんどがその日のうちに食べないと。

腐る、ってことではないですが、味が変わっちゃうんですよね。

こちらの最中も、ものすごく美味しいですが、その日のうちに食べていただかないといけないので、仕事先へのおもたせだとちょっと難しいかなあ。

いやあ、それにしても、おいしうございました。

これからも神保町にいったらちょいちょい買って。
あ!そか、近くの公園とかでいただいちゃうのがいいかも!
そうしよっと。

さゝま
http://www.sasama.co.jp/tuunen.html

file.95 鈴屋の「デラックスケーキ」


いちにちいちあんこ

最近、大変お世話になっているお仕事先が、豊洲駅の側に引っ越しをされたので、どうにか美味しいものを探したいと、意気込んでおります。

しかし、豊洲駅と言うのは新しい地域なため、いわゆる老舗の和菓子屋さん、と言ったお店が見当たりません。

しかし仕事のお供にあんこは必要です。

さあ、どうする私…。

……そう。
そうですよ。

こんな時は、スーパーマーケットに行くのが良いですよね。

最近のスーパーは、地方の特産物を置いていたり、そうでなくてもお総菜コーナーの端っこに、地元の和菓子やさんのおまんじゅうをばら売りしてるなんてことが結構ありますからね!

そんなわけで、駅前のちょっと明治屋さんみたいなスーパーがあったので、さっそく物色すると…

フフフ…。

ありましたよ!やっぱり!

地方の美味しいものコーナーみたいなのが!

そこで、ひときわ目立っていたのが、鈴屋さんの「デラックスケーキ」。あまりたくさん買っても食べきれないので、一個だけ買ってみました。

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お約束の時間まで、ちょっと時間がありましたので、歩道にあったベンチでおやつたーいむ!

ここで、知り合いに出会ったしまっためちゃくちゃ恥ずかしいぞ、と思いながらも誘惑に勝てませんでした。

鈴屋さんの「デラックスケーキ」。
このパッケージめちゃくちゃかわいいですよね~~!
スマホで調べてみましたら、紀伊田辺にある昔ながらの洋菓子屋さん+和菓子屋さんみたいです。昔は、和菓子屋さんにケーキ売ったりしてましたが、そんなオールドスタイルのお店のようですね。

これ、一瞬あんこ関係ないと思いますよね?

でも、ケーキの間に、手亡豆(白インゲン豆の一種)のジャム(?)が挟まっているので、ギリギリセーフであんこものにカウントしますよ!

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ふふふ、そう、そうきましたか。

ですよね~~。

こういう昔ながらのお菓子で、銀色の紙で包まれているものって、だいたいホワイトチョコレートでコーティングされてますよね。

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そしてそのホワイトチョコレートが、昔風っていうのかな、あまりコクがないというと失礼かな、つまりさっぱりした味なんですよね。

このホワイトチョコレートのコーティングの先にある、真ん中の線、これが手亡豆のジャムですね!

20150629-3割ってみますとこんな感じです。

生地はカステラ。スポンジケーキとはまたちょっと違います。間に入っている手亡豆ジャムは、ホワイトチョコレートとカステラの個性に押され気味で、一口食べてすぐに「あんこ、いる!」とは思えなかったので、ちょっとつまんで味見してみました。

あ、確かにこれは手亡豆だ!

いいでしょう、これは。
あんこものカウントでも!

かなりしっかりと甘いのですが、とにかく優しい味です。
初めて食べましたが、懐かしい、そんな味。

和歌山県ではとても有名なお菓子だそうです。やっぱ地元に愛され続けているお菓子って、いいですよね!

あっという間に完食。
もう一個買っておけばよかったかな。

鈴屋
http://dxcake.jp/

土偶を観に行く旅もいいな…『縄文遺跡ガイド~北海道北東北~』/インテリジェント・リンク編


縄文時代と一口にいうと、鎌倉時代、室町時代と並ぶような時代区分に聞こえてしまうかもしれませんが、それは大きな間違いです。

縄文時代は、紀元前〔BC〕1万2・3000年から、紀元前〔BC〕 300年までのことを指します(諸説あり、国史大辞典参考)。

さらりと言いましたよ。

しかしよく考えてみてください。

日本列島の歴史のなかで、約1万2000年間も、「縄文時代」ですからね?!

その後続く弥生時代は、紀元前3世紀ごろから紀元後〔AC〕 3世紀ごろまでですから、だいたい600年間です。

何でしょう、このバランスの悪さ。

その後の日本の歴史が1700年ですからね、弥生時代と足し算しても2300年間しかありません。

12000対2300です。約五倍です。

このボリューム感の違いは、皆さん意外と気が付いてないんじゃないかと思うんです。しかし、ちょっと冷静になってみてみますと、時代の長さだけで言えば、日本を代表する文化は縄文時代の文化と言うべきかもしれませんよ。岡本太郎さんの直観は大変正しい。

そんなこんなで前置き長いですが、仕事が煮詰まると、脳内旅行をし始めるのが私の習性。今日はふと、この本を手に取りました。

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先日見てきた「マスク展」@庭園美術館に触発されましたね。無意識でしたけど。

今回はフランスの博物館の収蔵品ですから、どうしても東アジアのラインナップが弱かったんですね。日本が世界に誇るプリミティブ・アートと言えば、そう「土偶」ですよね!!

こちらの図録は、トーハクさんで2009年に開催された「国宝 土偶展」のもので、当時、大英博物館で開催された展示の凱旋という意味合いもあったんですが、国宝指定されている三体、「縄文のヴィーナス」(茅野市棚畑遺跡出土)、「中空土偶」(函館市著保内野遺跡出土)、「合掌土偶」(八戸市風張1遺跡出土)を一度に観られるということで、ものすごく貴重な展覧会でした。

現在国宝に指定されてますのは、当時の三点に「縄文の女神」(山形市・西之前遺跡出土)、「仮面の女神」(茅野市中ツ原遺跡出土)が加わって、5体。

2009年当時も、この二体も、重要文化財としてラインナップされていて、もちろん見ることができました。

こうして、日本の素晴らしい原始美術を見てますと、やはりむくむくと、現地で観たいという気持ちが高まってきますよね。

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そこで、また手に取りましたのがこの本。

ずいぶん前に買って、行きたいところに付箋を立ててそのまま……(涙)。

北海道と北東北には、素晴らしい縄文文化の中心地ともいえる場所でしたので、三内丸山遺跡はじめ、見てみたい縄文遺跡はたくさんあります。

ただ、ちょっと気をつけなくてはいけないのは、意外と土偶現物はトーハクさんにあったりするんですよ。例えば有名な重文の遮光器土偶(つがる市木造亀ヶ岡出土。この本の表紙にレプリカが載ってますけど)は、トーハクさんにあり、たしか常設展でも観ることができます。

でも、やっぱり三内丸山遺跡かなあ。

恥ずかしながら、まだ行ったことないんです。昔、出版社の営業部にいたときに青森は担当地域だったので、何度も訪ねているんですが、空港から市内へ向かうバスでいつも標識だけ眺めて涙を呑む、ということをやっていました。

ああ、旅に出たい。夏の東北や北海道は、美しいですよね……。

アールデコと原始美術の不思議な調和が気持ちいい。/「マスク展」@東京都庭園美術館


フランス国立博物館の一つ、ケ・ブランリ美術館のコレクション展・「マスク展」をみにいってきました。

庭園美術館は、目黒駅そば。

実は我ながら意外なことに、庭園美術館に行ったのは今回が初めてです。

庭園美術館と言えば、旧朝香宮邸。アールデコ様式建築として、大変高名ですね。特に展覧会がなくても、建物や庭を見るだけでも、十分楽しめます。

フランスの装飾美術家アンリ・ラパンのロマンチックな内装設計、フランスのガラス工芸家・ラリックがデザインした多数のガラスによる装飾は、とにかく繊細で、ステキ空間。建物や大枠の内装は宮内庁の建築家や職人さんたちが作っていますから、そこには非常に控えめながらも和の美意識が感じられ、全体が和とアールデコの絶妙な調和を見せています。

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さて、そんな庭園美術館で、行われているのがこちらの「マスク展」だというのが面白い。

ちなみにこのマスクを収蔵しているケ・ブランリ美術館は、2006年にopenしたばかりの、アフリカ・オセアニアなどの原始美術をメインとした美術館だそう。前回フランスに行ったときに行っておけばよかったなあ、知らなかったですよ。

それにしても、アールデコ様式の瀟洒な内装の中に、原始美術というか、呪術的・異教的な仮面が展示されているというのは、なかなか見たことのないバランスですよね。

アフリカの仮面、ニューギニアの仮面は特に強力なパワーを発散していたように思います。やっぱり「強い」ですよね。ホント。問答無用!って感じがします。

ポスターに使われているのは、アフリカの仮面。どこの国だったかな^^;。アフリカ全土からの出品でしたのでちょっとわからなくなってしまいましたが…。

アフリカ、とひとくくりにしちゃいますけど、あれだけ民俗も文化も多様な大きな大陸ですから。仮面も、隣に置いてあっても例えばマリとコンゴなんて言ったら、アジアで言ったら日本とフィリピン位距離が離れてるんじゃないでしょうか。なので、これだけ多種多様なデザインがあるのも当然と言えば当然です。

それにしても、本当に面白い展覧会ですよ。

アールデコ様式で、あらロマンチックと思って視線をちょっとずらすと、ニューギニアの仮面がどーんとあるんですから。そしてそれが妙に調和しちゃってるんですよ。

取り合わせの妙ですね。本当に。

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さて、そして、展覧会を見た後は、こちらのミュージアムカフェ「カフェ・ド・パレ」でゆったりと。

ミュージアムカフェは、食器はノリタケ、ケーキはアニヴァーサリー、コーヒーは堀口珈琲だそうで、まるで今の東京でお洒落で上質なお店の逸品をそれぞれピックアップして一つの机に並べたような感じです。セレクトショップみたいな感じ。

私が頂いたのは、堀口珈琲のオリジンコーヒーと、季節のシフォンケーキ「柚子とオレンジ」です。シフォンケーキ、一瞬大きいな、と思いますが、シフォンケーキってほとんど空気ですのでね、瞬殺ですよ、瞬殺。

それにしても、良い時間でした。

少し小雨でしたが、風もなかったので、お外の席でいただいたのですが、庭の野花が可憐でね。明治時代のお庭と違って、派手さのないゆったりとどちらかというと地味なお庭です。それが何ともいい。リラックスできます。

マスク展は6月30日までだそうなので、もう一週間しかありませんが、ぜひ足を運んでみてください。

マスク展@東京都庭園美術館(~6/30)
http://www.teien-art-museum.ne.jp/exhibition/150425-0630_mask.html